(※写真はイメージです/PIXTA)

昇進や昇給は、収入の増加を実感できる出来事として期待されがちです。しかし実際には、税金や社会保険料の負担増によって、額面ほど手取りが増えない、あるいは思った以上に差が出ないと感じるケースも少なくありません。額面と手取りの差は一定以上の収入帯で大きくなりやすいものです。

「手取りが増えない」現実にどう向き合うか

田中さんはその後、家計を見直すことにしました。

 

「最初はショックでしたが、仕組みを知ると納得できる部分もありました」

 

収入が増えれば、その分、社会保険料や税負担も連動して増えます。額面ほど手取りが増えないのは制度上避けられない側面がありますが、その分をどう補うかは個人の選択に委ねられています。

 

田中さんはまず、毎月の固定費を見直し、通信費や保険料などを整理しました。そのうえで、手取りの増加分の一部を「使うお金」と「増やすお金」に分けるようにしたといいます。

 

「全部を生活費に回すのではなく、一部は積立に回すようにしました」

 

近年では、少額からの資産形成手段として新NISAなどの制度も整備されており、税制優遇を受けながら投資を行うことも可能です。また、副業やスキルアップによって収入源を増やすという選択肢をとる人も増えています。

 

重要なのは、「手取りが思ったより増えない」という事実を前提に、家計の構造そのものを見直すことです。昇進や昇給はゴールではなく、収入の使い方を再設計するタイミングとも言えます。

 

「最初はがっかりしましたが、今は“どう使うか”のほうが大事だと思うようになりました」

 

額面の増加だけに目を向けるのではなく、その内訳と使い道まで含めて考えることが、結果的に生活の安定につながるのかもしれません。

 

 

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