「子どもへの投資は、最高の老後対策」という昭和の幻想
和子さんのようなケースは、現代の親子関係で急増しています。親世代には「子どもに尽くせば、最後は面倒を見てくれる」という期待がありますが、子世代は「自分たちの今の生活を維持するだけで精一杯」という現実があります。特に都心部で「エリート」として生きる息子たちにとって、地方の親からの金銭的な訴えは、自分たちの生活を脅かす恐怖にさえ感じるのです。
「私は息子を立派にするために生きてきました。でも、その結果がこれです。あんなに無理をしてまで大学へ行かせなければ、今でも時々は電話で話せる親子でいられたのでしょうか」
現在、和子さんは地域のサポートを受けながら、一日の大半をテレビの前で過ごしています。
「もう、生きてる意味がわからないんです。何のために働いて、何のために自分の服一枚買わずに節約してきたのか」
「子どもへの投資は、最高の老後対策」――そんな昭和の成功モデルを信じ、私財を投じてきたツケが、最悪の形で和子さんに回ってきました。かつて息子と笑い合った記憶は、もはや現在の困窮を慰めるどころか、自分を追い詰める「後悔」へと姿を変えています。
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