年を経るにつれて少しずつ落ちていく建物の資産価値。今回は、下がった資産価値を経費にしていく仕組み、すなわち減価償却について見ていきましょう。

資産価値の下落分は「必要経費」にできる

確定申告で計上できる「毎年の必要経費」に減価償却費という項目があります。ローン支払い利息などは容易に確認できると思いますが、減価償却費の計算は少し複雑なので、説明しておきましょう。

 

減価償却費は、「資産価値の下落分を経費としたもの」です。新築マンションの帳簿価額は、年を経るにしたがって少しずつ落ちていきます。新築の鉄筋コンクリートマンションの場合、47年が法定耐用年数となります。 減価償却費の計算には定率法と定額法がありますが、建物の減価償却費は定額法を使います。それでは、実際に計算してみましょう。

建物についている設備も減価償却が可能

まず、購入価格から建物価格を算出します(土地と建物の比率は物件によって異なるので、売主に問い合わせます)。そして、47分の1である0・022をその額に掛けます。これで毎年の減価償却費が出ます。

 

建物価格×0・022=毎年の減価償却費

 

が計算式です。たとえば購入価格が2400万円で土地と建物の比率が4:6だった場合、建物価格は、

2400万円×0・6=1440万円

減価償却費は 1440万円×0・022=31万6800円

となり、47年間、毎年31万6800円を減価償却費として計上できます。

 

 

また、建物についている給排水・ガス・電気などの設備も減価償却費を計上できます。これらの設備は、取得価格が10万円未満の場合、取得した年に全額経費として計算します。10万円以上20万円未満の場合は、3年間で3分の1ずつ減価償却費として組み込みます。

 

それ以上の額の場合は法定年数に沿って、建物と同じように計算します。給排水・ガス・電気設備の法定年数は15年ですので、次の計算式になります。

 

設備の取得価格×0・067=毎年の減価償却費

本連載は、2010年9月24日刊行の書籍『デザイナーズマンション+3つの条件で成功する不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

デザイナーズマンション +3つの条件で 成功する不動産投資

デザイナーズマンション +3つの条件で 成功する不動産投資

川田 秀樹

幻冬舎メディアコンサルティング

将来の年金不安を解消するため、不動産投資による資産運用に注目が集まっています。 本書は株や定期預金、国債などのあらゆる資産運用のなかで、不動産投資がいかに有効かをリスクとリターンの観点から、初心者にもわかりやす…

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