(※写真はイメージです/PIXTA)

親が認知症になったとき、介護費用や実家のお金をどう管理するか。多くのご家庭が直面する問題ですが、「家族間の暗黙の了解」ほど危ういものはありません。親を想っての行動であっても、金融機関のシステム上では単なる「不正取引」とみなされることがあります。その結果、ある日突然、実家の大切な資産が完全に凍結されてしまうのです。本記事では、認知症の父のためによかれと思って取った行動が裏目に出てしまった長男のケースから、ご家族の財産を守るための現実的な防衛策を解説します。

「家族だから大丈夫」は通用しない現実

Aさんのようなケースは決して珍しくありません。「家族なのだから、暗証番号さえ知っていれば親の預金を下ろしてもそれほど問題にならない」と安易に考えている方は非常に多いのが実情です。

 

しかし、実務の現場から見ると、この「それほど問題にはならない」と思われているカードの使い回しには、取り返しのつかない大きなリスクが潜んでいます。

 

「毎日ATM」は不正監視システムで弾かれる

老人ホームの入居一時金など、急遽数百万円単位の資金が必要になった場合、ATMだけで対応するのは現実的ではありません。

 

Aさんのように連日上限額まで引き出しを続けると、本人が高齢であるにもかかわらず不自然な高額出金が連続したとして、金融機関の不正検知の対象となることがあります。セキュリティの観点から口座が強制的にロックされ、窓口で本人の意思確認を行わない限り、引き出せなくなる事態に陥るのです。

 

家族間のトラブルと銀行の「預金規定違反」

親族間のトラブルや法律上のリスクも見過ごせません。親の了承を得て引き出していたとしても、明確な記録が残っていなければ、相続の際に「認知症で判断能力が乏しい時期に、勝手に引き出したのではないか」と他の親族から疑われやすくなります。

 

さらに根本的な問題として、金融機関の規定では、カードの譲渡や暗証番号の開示は家族間であっても原則として明確に禁止されています。平時は黙認されていても、万が一、盗難や詐欺の被害に遭った場合、「家族にカードを渡していた」ことが判明すると預金者側の過失とみなされ、補償が大きく減額されるか、一切受けられなくなるリスクがあります。

 

代理人カードも「認知症発症後」は使えない

「親が元気なうちに銀行で『代理人カード』を作っておけばいいのでは?」と考える方もいるでしょう。たしかに便利な仕組みですが、万能ではありません。

 

銀行の代理人カードは、あくまで「本人は頭がしっかりしているが、足腰が弱くて銀行に行けない」状態を想定したものです。本人が認知症等で判断能力を失ったことが客観的に明らかになった場合、代理人カードの利用も停止されます。

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※本記事は、筆者の経験に基づき、守秘義務の観点から事例を一部修正・変更して作成しています。また、本記事で紹介した対策は一例であり、個別の状況や資産内容等によって最適な判断・選択は異なります。金融機関ごとの具体的な手続き方法については各窓口へ、ご家庭に合った対策の選び方については専門家へ、それぞれご相談されることをおすすめします。

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