(※写真はイメージです/PIXTA)

相続において「長男が不動産(実家)を、次男が現金を」という分け方は、一見するとスタンダードで平和的な解決策に見えます。しかし、そこには資産額(バランスシート)だけを見ていては気づかない、「落とし穴」が潜んでいます。今回は、公正証書遺言があったにもかかわらず、不動産を相続したことで老後資金が枯渇し、破産の危機に瀕してしまった長男の事例をご紹介します。

現金か実家か、相続の2択が人生の明暗をわけた

「親父の遺言通りにしただけなのに、まさかこんなことになるとは……。この家は資産なんかじゃない、金食い虫です」

 

田中誠さん(仮名・58歳)は、深いため息をつきながらこう漏らしました。

 

ことの発端は、3年前に85歳で亡くなった父の茂男さん(仮名)の相続でした。母はすでに他界しており、相続人は長男である誠さんと、弟の修さん(仮名・55歳)の2人です。

 

茂男さんは、高度経済成長期を企業戦士として駆け抜けた、真面目で実直な性格でした。今の実家は、茂男さんが仕事で一番脂の乗っていた40代半ば、バブル景気の頃に建てたものです。それまでは社宅住まいで倹約して、貯めた資金とローンで、こだわりの注文住宅を建てました。

 

「父は本当に真面目な人でした。給料のいい時代でしたが贅沢はせず、定年前にローンを完済していました。おかげで退職金にはほとんど手を付けず、年金のなかからコツコツと貯め続けていたようです」

 

そんな茂男さんが残した財産は、以下の通りでした。

 

•    自宅不動産(土地・建物):約5,000万円(評価額)

•    現預金:約5,000万円

•    合計:1億円

 

茂男さんは生前、家族想いゆえに「自分が死んだあとに兄弟で揉めないように」と、公正証書遺言を作成していました。「不動産は長男・誠に相続させる。現預金は次男・修に相続させる」と、その内容は非常にシンプルでした。

家賃からの解放で安堵、しかし実家は“金食い虫”へと変貌…

誠さんは当時を振り返ります。

 

「正直、ホッとしました。私はずっと転勤族で、社宅や賃貸暮らしだったので、終の棲家(ついのすみか)が確保できたことは嬉しかった。家賃もかからなくなるし、これで老後は安泰だと思ってしまったんです。弟も『兄貴が実家を継ぐなら文句はないよ。俺は現金のほうが使い勝手がいいし、親父の自慢の家を頼むよ』と快諾してくれました」

 

遺言書のおかげで、遺産分割協議で揉めることもなく、スムーズに手続きは完了。誠さんは相続を機に長年住んだ賃貸マンションを引き払い、茂男さんが建てた立派な注文住宅へ妻と二人で移り住みました。しかし、その「家賃が浮く」という目論見は、甘かったことがすぐに判明します。

 

次ページ「父の自慢の家」に予期せぬトラブルが

※本記事は、筆者の経験に基づき、守秘義務の観点から事例を一部修正・変更して作成しています。また、本記事で紹介した対策は一例であり、個別の状況や資産内容等によって最適な判断・選択は異なります。金融機関ごとの具体的な手続き方法については各窓口へ、ご家庭に合った対策の選び方については専門家へ、それぞれご相談されることをおすすめします。

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