【3月・為替市場の展望】FOMC、日銀金融政策決定会合、日米首脳会談など「重要イベント」目白押しで変動幅大きく…注視すべきポイントは?

【3月・為替市場の展望】FOMC、日銀金融政策決定会合、日米首脳会談など「重要イベント」目白押しで変動幅大きく…注視すべきポイントは?
(※写真はイメージです/PIXTA)

足元の為替市場は神経質な値動きが目立っています。特に1〜2月は「レートチェック」や為替介入への警戒感が相場を大きく揺さぶりました。今回は、年初来の動きを振り返りつつ、3月に控える重要イベントを踏まえた注目ポイントを整理します。

年初来の市場、高市政権「責任ある積極財政」の期待と警戒が交錯

年初来のマーケットは、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」に対する期待と警戒が交錯する展開となりました。食品の消費税減税や成長投資拡大重視の姿勢は景気下支えへの期待を高める一方で、財政拡張による国債増発や長期金利上昇への懸念も意識されました。その結果、円売り圧力が強まり、1月中旬にはドル円が一時159円台まで上昇しました。

 

1月23日の日銀金融政策決定会合では政策金利が据え置かれ、植田総裁の記者会見も追加利上げに前向きとは言い難い内容でした。市場はこれをハト派的と受け止め、円安が加速しました。しかし、その直後に報じられたのが、米財務省主導とされる「レートチェック」の動きでした。ニューヨーク連銀が市場参加者に為替水準を確認したことは極めて異例であり、日米当局が円安の進行を強く警戒しているとのメッセージとして市場はこれを重く受け止めました。

 

これをきっかけにニューヨーク市場では急速な円買い戻しが進み、ドル円は一時152円台半ばまで反落しました。実際の為替介入はありませんでしたが、当局の警戒姿勢が明確になったことで、「一定水準を超える円安は容認されにくい」との認識が市場に広がりました。以降、ドル円の上昇局面では常に介入警戒感が上値を抑える構図が続いています。

2月、ドル円は一時156円台後半まで上昇

こうした流れの中で2月に入ると、毎日新聞が「高市首相が植田総裁との会談で追加利上げに難色を示した」(2月24日)と報じ、市場は再び円安方向へ振れました。さらに、政府が新たな日銀審議委員候補を提示し(2月25日)、その顔ぶれが財政出動や金融緩和に理解を示すと見られたことで、利上げ観測は一段と後退しました。ドル円は一時156円台後半まで上昇し、再び通貨当局の出方をうかがう展開となりました。

 

衆院選で与党が大勝し、政権基盤が安定したことも相場の重要な背景です。食品の消費税を時限的にゼロとする方針は家計支援策として評価される一方、財政規律への目配りがどこまで保たれるのかが引き続き焦点です。市場は「成長期待」と「財政への警戒」という二つの視点を慎重に見極めています。

3月はイベントが集中、為替市場の今後を占う重要なタイミング

3月は重要イベントが集中します。為替市場にとっては、方向性を占う極めて重要なタイミングです。

 

まず3月17〜18日のFOMCです。米国ではインフレ鈍化が進む一方、雇用や消費は底堅さを保っています。利下げペースをどう調整するのか、そしてトランプ政権の関税政策がインフレに与える影響をどう評価するのかが焦点です。利下げに慎重な姿勢が示されればドル高圧力が再燃する可能性があります。

 

また、次のFRB議長にノミネートされたウォーシュ氏の指名のための公聴会がいつ開かれるのか、そしてタカ派と見られている同氏が実際にFRB議長にノミネートされた中でどのような考えを持っているのか、市場は注目しています。

 

続いて18〜19日の日銀金融政策決定会合です。植田総裁は「春の賃上げ動向などを丹念に点検する」と述べており、春闘の状況を踏まえた判断が注目されます。26日に公表された読売新聞のインタビューで植田総裁は追加利上げへ向けて力強い姿勢を示しています。毎日新聞の報道と審議委員人事(リフレ派2人をノミネート)で大きく後退した4月の0.25%程度の追加利上げ観測ですが、まだまだ予断を許さない状況と言えるのではないでしょうか。いずれにしても、利上げなら円高、据え置きなら円安という単純な図式ではなく、今後の政策パスに関する示唆が市場の関心事となっています。

 

そして3月19日に予定されている日米首脳会談です。貿易・関税問題だけでなく、為替や債券市場の安定についても率直な議論が行われる可能性があります。米国側は円安や日本の財政拡張がもたらす国際的な影響を注視しており、日本側としては「責任ある積極財政」の説明と信認確保が重要なテーマとなります。安全保障に絡み、防衛費増額を米国側が裏で要求していると言われていますが、その話が表に出てくるかどうか、財政悪化懸念の拡大に直接つながることもあり、市場の注目を集めています。

最後に

1〜2月はレートチェックという異例の動きや政策報道によって、為替が大きく振れました。介入警戒感は依然としてドル円の上値を抑える重石です。一方で、日本経済は賃金上昇や成長分野への投資など前向きな材料も抱えています。

 

3月は政策イベントが連続するため、相場の変動が大きくなりやすい局面です。短期的な値動きに振り回されるのではなく、政策の方向性とファンダメンタルズを丁寧に見極める姿勢が重要だと考えます。

 

 

藤田 行生
SBI FXトレード株式会社
代表取締役社長

 

※ 本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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