今回は、「親の昔のパスポート」が税務調査で役立った事例を見ていきましょう。※本連載は、久野綾子税理士事務所の代表税理士・久野綾子氏の著書『相続貧乏になりたくなければ親の家を賢く片づけましょう』(アチーブメント出版)の中から一部を抜粋し、実家の「モノ」の片付けに関するポイントをQ&A形式で解説します。

「海外旅行だけでなく、国内旅行も好きでした」

重要度 ★☆☆☆☆

親が昔に作ったパスポート。

捨てる or とっておく

賢いのは、どっち?

 

答え:昔のパスポートはとっておきましょう!

写真と同様、税務調査のお助けアイテムになります。

 

昔のパスポートを旅の記念としてとっておく方も多いと思います。実はパスポート

も税務調査のお助けアイテムです。

 

<税務調査のお助けアイテム>

父の相続の後、税務調査が入りました。税務署の職員が父の通帳の履歴を見て・・・。

 

税務署員 この日に100万円の引き出しがありますが、何に使ったお金かわかりますか?

あなた えーーーーーと、それは。5年前ですよね。なんだったかな・・・。

 

5年前に引き出した100万円。メモも何もなければ思い出せないのが普通です。

 

税務署員 タンスに隠しているということはありませんか?

あなた いえ、なにかに使いました。あ、そうだ!(父親のパスポートを持ってくる)

あなた 父も母も旅行好きだったので、ハワイへ行ったときに引き出したお金です。◯月◯日に出国しています。

税務署員 お父さんは旅行好きだったのですね。

あなた はい。父は海外だけでなく、国内旅行も好きでした。

「家の生活費」の証拠としてもパスポートは残しておく

●通帳から現金をおろした→現金で持っている

現金に対して相続税がかかる

 

●通帳から現金をおろした→現金で持っている→旅行で現金を使った

手元に現金がないため、相続税はかからない

 

趣味や生活スタイルによって、「生活費」の基準は異なります。税務署の捉える「あなたの家の生活費」や現金引き出しの証拠を明確にするためにも、パスポートはできるだけ手元に残しておくようにしましょう。

本連載は、2015年3月3日刊行の書籍『相続貧乏になりたくなければ親の家を賢く片づけましょう』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

相続貧乏になりたくなければ 親の家を賢く片づけましょう

相続貧乏になりたくなければ 親の家を賢く片づけましょう

久野 綾子

アチーブメント出版

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