「帰りにお小遣いも渡したい。でもそれをやったら…」
直子さんは言います。
「母は “来るならちゃんと迎えたい”タイプなんです。何もない状態で来させるのが、嫌だったんだと思います」
実際、洋子さんはこう話していました。
「お昼も出前にしてあげたいし、帰りにお小遣いも渡したい。でもそれをやったら、今月の生活費が足りなくなる。だったら最初から来てもらわない方がいいって……」
うれしいはずの孫の訪問が、「支出イベント」となり、心理的には会いたい/経済的には負担が重いというねじれが起きていたのです。
その後、直子さんは訪問頻度を減らす代わりに、食料品を宅配で送ることを決めました。現金ではなく“物”で支える方法です。
すると母から、こんなメッセージが届きました。
「この前のスープ、おいしかった。今度は無理しない日に来て」
年金月19万円という数字だけ見れば、極端に少ない水準ではありません。しかし、
●税や保険料の控除
●住居維持費
●医療費
●家族交流費
まで含めると、体感的な余裕は大きく変わります。
老後の家計は、「いくらもらっているか」だけでなく、どんな支出構造かで安心度が決まります。うれしいはずの孫の来訪を断る――。その背景には、数字だけでは見えない、高齢単身世帯のリアルな家計事情がありました。
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