(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親にとって、孫の存在は「生きがい」と語られることが少なくありません。一方で、年金生活に入った後は収入が大きく変わり、交際費や食費、光熱費の負担が家計を圧迫するケースもあります。見た目には穏やかな老後でも、内側では「うれしいはずの時間」を手放しで喜べない現実に直面している人もいます。今回は、孫の来訪を断らざるを得なかった72歳女性のケースから、高齢単身世帯の家計の実情を見ていきます。

「帰りにお小遣いも渡したい。でもそれをやったら…」

直子さんは言います。

 

「母は “来るならちゃんと迎えたい”タイプなんです。何もない状態で来させるのが、嫌だったんだと思います」

 

実際、洋子さんはこう話していました。

 

「お昼も出前にしてあげたいし、帰りにお小遣いも渡したい。でもそれをやったら、今月の生活費が足りなくなる。だったら最初から来てもらわない方がいいって……」

 

うれしいはずの孫の訪問が、「支出イベント」となり、心理的には会いたい/経済的には負担が重いというねじれが起きていたのです。

 

その後、直子さんは訪問頻度を減らす代わりに、食料品を宅配で送ることを決めました。現金ではなく“物”で支える方法です。

 

すると母から、こんなメッセージが届きました。

 

「この前のスープ、おいしかった。今度は無理しない日に来て」

 

年金月19万円という数字だけ見れば、極端に少ない水準ではありません。しかし、

 

●税や保険料の控除

●住居維持費

●医療費

●家族交流費

 

まで含めると、体感的な余裕は大きく変わります。

 

老後の家計は、「いくらもらっているか」だけでなく、どんな支出構造かで安心度が決まります。うれしいはずの孫の来訪を断る――。その背景には、数字だけでは見えない、高齢単身世帯のリアルな家計事情がありました。

 

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