老後資産として3,000万円。これだけあれば十分老後を暮らしていけるイメージがあるかもしれません。しかし、現実は少しずつ変わろうとしています。65歳で退職したAさんの事例とともに見ていきましょう。

旅行をきっかけに向き合えた「老後のお金」

Aさん夫妻の年金額は、夫婦合計で月約23万円。日々の生活は、節約すれば年金の範囲内でなんとか回ります。しかし、家電の買い替え、固定資産税、医療費や慶弔費などの突発的な出費……結局赤字になる月も珍しくありません。そのたびに、貯蓄を取り崩すことになります。

 

かつて話題になった「老後2,000万円問題」。それを聞いたとき、Aさんは「3,000万円あれば十分だろう」と思っていました。しかし、実際には物価は上がり、円安で海外旅行は高騰、医療や住まいの不安は増える……毎年100万円ずつ貯金切り崩せば、20年で2,000万円がなくなってしまう。その重みをまざまざと感じています。

 

「40年以上働いて、ようやく手にしたお金です。夢はほどほどに、最後まで安心して暮らせることを優先したい。正直、そこまで真剣に老後のお金のことを考えてはいませんでした。あの旅行をきっかけにお金に向き合えたのは、よかったのかもしれません」

 

節約しすぎて、使わずに終わっても意味はない。「バランスが大切」。今後はオフシーズン、安いパックツアーなどを探して、効率よく旅をしたいと笑います。

 

「思っていたのとは違いますが、現実に合わせないとね。もし10年前に生まれていたら、同じ金額でもっと余裕のある老後だったんじゃないかと思いますが、嘆いてもしかたない。堅実に生きていきますよ」

 

 

 

 

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