(※写真はイメージです/PIXTA)

住宅価格の高騰が続くなか、住まい選びは多くの家庭にとって大きな決断となっています。特に共働き世帯では、利便性や資産価値を重視し、都心のタワーマンションを選択肢に入れるケースも少なくありません。一方で、同じ予算でも郊外に目を向ければ、庭付きの戸建てという選択も可能です。住まいは「数字」で比較しやすい一方、実際の暮らしやすさは住んでみなければ分からない――そう実感する人も増えています。

タワマンを断念し、郊外の一戸建てへ

「正直、最初はタワマン一択だと思っていました」

 

そう語るのは、都内で働く会社員の佐藤直樹さん(仮名・39歳)と、IT企業勤務の妻・恵理さん(仮名・37歳)。世帯年収は約1,300万円。子どもはおらず、いわゆるDINKs世帯です。

 

湾岸エリアの新築タワーマンションも検討しましたが、希望する広さでは予算を超える物件が多く、管理費・修繕積立金を含めた将来負担にも不安を感じたといいます。

 

「同じ総額なら、少し都心から離れても“土地が残る家”の方がいいのでは、と考えるようになりました」

 

最終的に選んだのは、郊外にある庭付きの戸建て住宅。購入価格は約6,500万円でした。

 

住み始めて最初に感じたのは、空間の余裕でした。

 

「隣の生活音を気にしなくていいのは、本当に楽です。夜に洗濯しても、気を使わなくて済む」

 

庭で家庭菜園を始めたり、週末に友人を招いてバーベキューをしたりと、想像していた“戸建ての良さ”は確かに実感できたといいます。

 

国土交通省の『住宅市場動向調査(令和5年度)』でも、戸建て住宅購入者の理由として「住環境の良さ」や「広さ」を挙げる人は多く、数字上も実感と大きなズレはありません。

 

一方で、暮らしが落ち着くにつれ、想定していなかった現実も見えてきました。

 

「平日はほぼ家と職場の往復。庭を楽しむ余裕が、思ったほどなかったんです」

 

さらに、車の維持費や外構の手入れ費用など、マンション時代にはなかった支出も増えました。

 

「固定資産税も想像以上でしたし、庭の手入れも“放っておく”わけにはいかない。便利さは確実に下がりました」

 

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