(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもが社会人として自立した後の親との関係は、感情面だけでなく、金銭面を含めた現実的な問題として表面化しやすいものです。総務省『家計調査報告(家計収支編・2024年)』によると、高齢単身無職世帯の実収入は月平均約13.4万円で、その大半を年金などの社会保障給付が占めています。一方、支出は月15万円前後にのぼり、赤字となる世帯も少なくありません。こうした状況のなか、「子どもに頼らざるを得ない」と感じる親世代も一定数存在します。

扶養義務は「無条件の仕送り義務」ではない

親の生活を支えることは、「扶養義務」という言葉で語られることがあります。

 

民法第877条では、直系血族には互いに扶養する義務があると定められていますが、これはあくまで「生活に困窮している場合に、最低限の生活を支える義務」を指します。親に一定の収入や資産がある場合や、子ども側の生活に余裕がない場合まで、無条件に高額な仕送りを求められるものではありません。

 

また、実際に援助を行う場合も、金額や方法は「子どもが無理なく継続できる範囲」であることが前提とされています。

 

美月さんは悩んだ末、元旦のLINEにこう返信しました。

 

「ごめんね。私も生活に余裕があるわけじゃないから、毎月の仕送りはできない」

 

それ以降、和子さんからの連絡は途絶えました。

 

「正直、罪悪感はあります。でも、それ以上に、『育てたのだから支えるのが当然』という前提で話をされてしまったことが、すごくつらかったんです」

 

美月さんにとって問題だったのは、金額そのものよりも、「娘の人生や生活が、当然のように親の延長線上に置かれている」と感じてしまったことでした。

 

厚生労働省『国民生活基礎調査(2024年)』では、単身高齢者世帯の半数以上が「生活が苦しい」と回答しています。高齢期の経済不安が深刻化していることは、統計からも明らかです。

 

しかし、だからといって「子どもに全面的に頼ること」は解決策ではありません。公的支援制度や地域の福祉サービスなど、選択肢は複数存在します。

 

「できる範囲で、親の力になりたい気持ちはありました。でも、“見返りを前提にした関係”になってしまったら、それはもう親孝行ではないと思ったんです」

 

そう語る美月さんの表情には、怒りよりも、割り切れなさと静かな悲しみがにじんでいました。

 

親子の関係は、年齢を重ねるほどに形を変えていきます。“支えること”と“縛られること”の境界線をどう引くのか。その問いに、簡単な正解はないのかもしれません。

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録