(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の年金受給では、「いつから受け取るか」が生活設計に大きく影響します。日本では多くの人が65歳から受給を開始しますが、年金額を増やすために受給開始を遅らせる「繰下げ受給」を選ぶ人もいます。厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によれば、繰下げ受給はまだ少数派ながら、選択する人は徐々に増えています。一方で、受給開始を遅らせたことが必ずしも満足につながるとは限りません。健康状態や家族状況、支出構造によっては、「もっと早く受け取ればよかった」と感じるケースもあります。

「長く生きるほど得だから」繰下げ受給を選択

「年金は繰り下げたほうが得だと信じていました」

 

そう話すのは、埼玉県在住の元会社員・佐藤さん(仮名・73歳)です。企業に40年以上勤務し、60歳で定年退職。その後65歳まで再雇用で働きました。

 

退職時点の年金見込額は月17万円ほど。生活費は退職金と貯蓄で賄えると考え、65歳からの受給は開始しませんでした。

 

「健康でしたし、家計もすぐに困る状況ではなかった。70歳まで待てばかなり増えると聞いていましたから」

 

老齢年金は、受給開始を遅らせると1ヵ月あたり0.7%増額されます。65歳から70歳まで5年間繰り下げると、年金額は42%増加します。佐藤さんの場合、70歳時点の年金額は月約24万円になりました。

 

「月7万円増えたんです。数字だけ見れば成功でした」

 

ところが、繰下げ終了直前の69歳のとき、状況が変わります。妻が病気で入院し、半年以上の療養生活に入ったのです。

 

「医療費と生活費で貯蓄が急に減り始めたんです」

 

それまで夫婦2人で月25万円前後だった生活費は、医療費や通院費、介助サービス費の増加で月35万円近くまで上昇しました。

 

年金はまだ受給していません。支出はすべて貯蓄からでした。

 

「70歳まであと1年。でも、その1年が長く感じました」

 

結果的に妻は回復しましたが、その間に貯蓄は約400万円減少しました。

 

70歳から年金受給を開始し、現在は月24万円。収入面では安定しています。しかし佐藤さんは言います。

 

「増えた年金を見るたびに、65歳からもらっていたらどうだったかと考えてしまうんです」

 

65歳から70歳までの5年間、本来なら受け取れた年金総額は約1,020万円(17万円×12ヵ月×5年)。繰下げで増えた年金との差額は月7万円、年間84万円です。

 

単純計算では、約12年受給して初めて総受取額が逆転します。73歳の現在、まだ「元を取った」状態ではありません。

 

「もし70代で何かあったら、繰り下げた意味は薄れる。そう思うと怖いんです」

 

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