(※写真はイメージです/PIXTA)

結婚は個人同士の選択である一方、現実には家柄や経済力、周囲の期待が大きく影響することも少なくありません。とくに資産家や名家と呼ばれる家庭との婚姻では、表に出にくいプレッシャーや役割意識が、長年にわたって当事者を縛るケースもあります。厚生労働省『人口動態統計(令和6年概況)』によると、同居期間20年以上の熟年離婚は年間4万686組にのぼります。長い年月を経て噴き出す違和感は、当初は些細なものだったはずの“差”から生まれることもあるのです。

結納もなく始まった「格差婚」

「正直、最初から少し違和感はありました」

 

そう語るのは、都内に暮らす大手メーカー勤務の男性・中村浩一さん(仮名・52歳)です。20代後半で結婚した相手は、地方都市で代々続く老舗企業を営む資産家の娘でした。

 

結婚当初、いわゆる“結納”はありませんでした。

 

「向こうのご家族からは『そういう形式ばったことはしない家だから』と言われて。合理的でいいな、くらいに思っていました」

 

当時の中村さんは、地方国立大を卒業後、大手企業に就職したばかり。年収も同世代としては平均的で、「自分の力でここまで来た」という自負がありました。

 

「家柄とか財産とか、正直、あまり意識していなかったんです。結婚は個人同士のものだと思っていましたから」

 

違和感を覚え始めたのは、結婚から数年後のことでした。正月や法事、親族の集まりでは、妻の実家側が主導権を握り、中村さんは常に“外から来た人”という立場でした。

 

「悪く扱われたわけではありません。でも、どこか一線が引かれている感じがありました」

 

子どもが生まれてからは、その差がよりはっきりしたといいます。教育方針や進学先について、妻の実家の意向が強く反映される場面が増えていきました。

 

「『うちは代々この学校だから』『将来を考えたら当然でしょ』と、話が進んでいく。自分の意見を出す余地は、ほとんどありませんでした」

 

仕事面でも、プレッシャーは続きました。40代に入り、中村さんの同期が次々と管理職や役員候補に名前を連ねる中、彼は思うように昇進できませんでした。

 

「成果が出ていないわけじゃない。でも、決定打に欠ける。そんな評価でした」

 

一方、妻の実家では、親族の誰それが事業を拡大した、政治家とつながりがある――そんな話題が日常的に飛び交います。

 

「比べられている、とは言われません。でも、自分の立ち位置を突きつけられているような感覚がありました」

 

次ページ20年目の夜、こぼれた本音
カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録