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変わらぬ“理想の夫婦像”と経済的優位性のギャップが引き起こす「モラハラ」
総務省が2025年に発表した「労働力調査」によると、共働き世帯数は1,300万世帯と過去最多を更新し、専業主婦世帯(508万世帯)の約2,6倍に達しているという現状があります。
これは「夫が稼ぎ、妻が家を守る」という旧来のモデルが崩壊していることを示していますが、一方で厚生労働省の「パートタイム・有期雇用労働者等基本調査」では、既婚女性労働者の約半数が依然として「扶養の範囲内」を意識して就業調整を行っており、夫側の「扶養に留まってほしい」という心理的・経済的圧力が女性のキャリア形成を阻む構造的な壁となっている実態が浮き彫りになっています。
また、内閣府の「男女共同参画に関する世論調査(令和4年度)」によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」という考え方に反対する女性が増加する一方で、50代以上の男性においては依然として根強い支持層が存在し、夫婦間の価値観の乖離が「経済的モラハラ」へ発展するケースが少なくないという実態があります。
今回の事例のように、妻が夫の年収に匹敵する稼ぎを得た際、夫が攻撃的になる現象は、「経済的優位性」をアイデンティティとしてきた男性側が、自身の権威失墜を恐れて配偶者の自立を阻害するという、日本のジェンダーバイアスが生んだ深刻な課題といえるでしょう。
[参考資料]
総務省統計局「労働力調査(詳細集計)」
厚生労働省「令和5年パートタイム・有期雇用労働者等基本調査」
内閣府「男女共同参画に関する世論調査(令和4年度)」
