「老後の話」では終わらなかった
高橋さんの場合、未納期間は2年以上に及び、保険料の未納額は数十万円に達していました。差押えによって、生活費の引き出しや取引先からの入金に支障が生じ、仕事にも影響が出たといいます。
「年金は老後の話だと思っていました。でも、払っていないと、今の生活にまで影響が出るとは思っていませんでした」
その後、高橋さんは年金事務所に相談し、分割納付の手続きを行いました。免除や納付猶予といった制度についても説明を受けましたが、こうした制度は、未納の初期段階で申請することが前提となります。
国民年金には、収入が少ない場合などに利用できる免除制度や納付猶予制度があります。厚生労働省の『国民年金事業年報』によると、保険料の免除や猶予を受けている人は、被保険者全体の約3割にのぼります。
また、国民年金保険料は、未納のまま放置すると、将来の老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金を受け取るための資格にも影響する場合があります。
「最初の通知の段階で相談していれば、結果は違っていたかもしれません」
高橋さんはそう振り返ります。
国民年金保険料の未納は、「忙しい」「そのうち払う」という判断から始まることが少なくありません。しかし、通知を無視し続けた結果、生活に直接的な影響が及ぶケースも現実に存在します。
催告や通知が届いた時点で、年金事務所に相談することが、事態を深刻化させないための最善策と言えるでしょう。
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