「70歳まで待てば得ですよ」に従った結果…年金繰下げを選んだ66歳男性が“75歳で受け取った金額”に絶句したワケ

「繰下げ」が損か得かは、人による

また、今回の佐伯さんのように「再雇用中の厚生年金加入分が、繰下げ増額の基準額には含まれていなかった」ケースも見られます。

厚生年金は、原則として65歳時点での加入実績をもとに年金額が裁定されます。65歳以降も働いて保険料を納めると、後日「年金額改定」として段階的に加算される仕組みです。

しかし、繰下げ受給を選んだ場合でも、この加算分は繰下げによる増額の基準額には含まれず、受給開始後に年金額改定として反映されるため、開始直後の金額にはすぐ表れないことがあります。そのため、「納めたはずなのに金額が上がらない」と疑問を抱く人も少なくないのです。

「繰下げが悪いとは思いません。ただ、家族構成や健康状態、貯蓄額などをよく考えて決めてほしい」

公的年金は“長生きリスク”に備える重要な仕組みですが、「何歳からどう受け取るか」については、自分自身の生活設計と照らし合わせて慎重に判断する必要があります。

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