前回は、今さら人に聞くことはできない相続の基礎知識をお伝えしました。今回は、期間が限られた中でもやることが多い、相続手続きの進め方を見ていきます。 ※本連載は、公認会計士・税理士の御旅屋尚文氏、司法書士の池田秀樹氏、特定社会保険労務士の柳勉氏の共著『家族が亡くなった後の手続きと相続がわかる本』(神宮館)の中から一部を抜粋し、家族が亡くなったときに発生するさまざまな手続きについて解説します。

10ヵ月以内に相続税の申告と納付が必要

亡くなった方の残した遺産を、誰がどのように相続するのかを決める作業も残された者の大切なことです。相続を放棄する場合は3ヵ月以内、相続をした場合には10ヵ月以内に相続税の申告と納付を済ませなければなりません。

 

生前故人が所得を得ていたら、法定相続人は「準確定申告」を4ヵ月以内に行います。

 

相続の手続きは、期限を過ぎてしまうとできなくなったり、不利益を受けることもあります。時間的制約のなかでたくさんのことをこなしていかなければならない点を踏まえ、何をどのように行うとよいのか、自分自身に該当すると思われる点を意識して、手順を確認しておきましょう。

相続人全員の参加が必要な遺産分割協議

*相続手続きの手順

・相続人の調査をし、相続人を確定する

・遺言書があるか確認する(最寄りの公証役場で公正証書遺言があるか検索してもらうことができる)

・相続財産の調査をし、確定する

・相続放棄と限定承認をする必要があるか検討する

・相続人が1人ではない場合に、相続人全員の参加で遺産分割協議を行う(相続人のうち1人でも協議に参加していない場合には、遺産分割協議は無効となる)

・相続人が決まったものについて各種名義変更等を行う

ここがポイント

相続の手続きは限られた時間のなかでたくさんのことをこなしていかなければなりません。そのためには手続きの手順を理解し確認しておくようにしましょう。

本連載は、2016年12月11日刊行の書籍『家族が亡くなった後の手続きと相続がわかる本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

家族が亡くなった後の手続きと相続がわかる本

家族が亡くなった後の手続きと相続がわかる本

御旅屋 尚文,池田 秀樹,柳 勉

神宮館

シニア世代必読! 大切な家族が亡くなったとき、今までに経験したことのないような深い悲しみと同時に、膨大な手続きをしなければなりません。 本書では大切な家族が亡くなった後に行う葬儀・法要の流れから、年金・保険・名…

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