前回は、今さら人に聞くことはできない相続の基礎知識をお伝えしました。今回は、期間が限られた中でもやることが多い、相続手続きの進め方を見ていきます。 ※本連載は、公認会計士・税理士の御旅屋尚文氏、司法書士の池田秀樹氏、特定社会保険労務士の柳勉氏の共著『家族が亡くなった後の手続きと相続がわかる本』(神宮館)の中から一部を抜粋し、家族が亡くなったときに発生するさまざまな手続きについて解説します。
10ヵ月以内に相続税の申告と納付が必要
亡くなった方の残した遺産を、誰がどのように相続するのかを決める作業も残された者の大切なことです。相続を放棄する場合は3ヵ月以内、相続をした場合には10ヵ月以内に相続税の申告と納付を済ませなければなりません。
生前故人が所得を得ていたら、法定相続人は「準確定申告」を4ヵ月以内に行います。
相続の手続きは、期限を過ぎてしまうとできなくなったり、不利益を受けることもあります。時間的制約のなかでたくさんのことをこなしていかなければならない点を踏まえ、何をどのように行うとよいのか、自分自身に該当すると思われる点を意識して、手順を確認しておきましょう。
相続人全員の参加が必要な遺産分割協議
*相続手続きの手順
・相続人の調査をし、相続人を確定する
・遺言書があるか確認する(最寄りの公証役場で公正証書遺言があるか検索してもらうことができる)
・相続財産の調査をし、確定する
・相続放棄と限定承認をする必要があるか検討する
・相続人が1人ではない場合に、相続人全員の参加で遺産分割協議を行う(相続人のうち1人でも協議に参加していない場合には、遺産分割協議は無効となる)
・相続人が決まったものについて各種名義変更等を行う
ここがポイント
相続の手続きは限られた時間のなかでたくさんのことをこなしていかなければなりません。そのためには手続きの手順を理解し確認しておくようにしましょう。
公認会計士、税理士
昭和27年富山県生まれ。滋賀大学経済学部卒業。大学在学中に公認会計士2次試験合格。昭和53年より公認会計士事務所を開業。
現在、経営コンサルティング、税務、監査、各種セミナー講師、テレビ出演と幅広く活躍。
著書に『自分でできる確定申告のすべて』『図解決算書の読み方』『面白いほどよくわかる相続・贈与のしくみ』(以上、日本文芸社)など多数。
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連載葬儀・年金・相続…家族の死亡時に発生する「お金」の手続き
司法書士
東京司法書士会会員。昭和40年新潟県生まれ。平成8年司法書士試験合格、平成10年司法書士登録、平成16年簡裁訴訟代理等関係業務認定。東京都板橋区で池田司法書士事務所を開設。
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特定社会保険労務士
昭和30年山形県生まれ。東洋大学法学部法律学科卒業。昭和57年やなぎ社会保険労務士事務所を開設。労働・社会保険手続、給与計算受託、就業規則等諸規程整備の他、個別労働紛争における斡旋代理の受託。NPOヒューマンエクセル理事長。
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