家族で考える詐欺への防止策
次の日、会社を休んで雅恵さんの家に帰ってきた幸一さん。2人でこれからの防止策を考えることにしました。
まず1つ目は、「お金の話は必ず電話で話し、確認すること」です。詐欺は考える隙を与えず、電話での会話を避けようとします。LINEのメッセージではなく電話での会話を共通のルールにすることで、詐欺に遭う被害は大きく下がります。
2つ目は「こまめに連絡をとりあうこと」。幸一さんは、雅恵さんとの連絡頻度が少なかったことを反省しました。そもそも、LINEのIDやアイコンも幸一さんが使っているものとは違いましたが、雅恵さんはそれにも気づかぬほど、やり取りは希薄でした。
今後は少なくとも週1回、幸一さんから電話をすることを約束。それだけで雅恵さんの孤独感も薄らぎます。また、LINEと電話のアイコンに幸一さん自身の顔写真を設定することで、本人かどうかをすぐに判断できるようにしました。
小さな声かけこそが、大きな被害を防ぐことに
雅恵さんは今でもあの日のことを思い出すと、手が震えるといいます。年金月12万円で細々暮らす雅恵さんにとって、50万円は大金。にもかかわらず、「息子のためだと思うと周りが見えなくなった」とも。
このような詐欺は誰にでも起こりえます。特に高齢者ほど「家族を大切にする」傾向があり、被害を受けやすくなってしまいます。だからこそ、家族が守ってあげなければなりません。
「調子はどう?」だけでなく「最近変な連絡が来てない?」と一言付け加えるだけで、家族の大切なお金を守る一歩に繋がります。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP®
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