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洋服は自分好みで選ぶのに、なぜ金融商品は窓口の言いなりに?
洋服を買うとき、店員のアドバイスを求めたとしても、実際に購入するときには、多くの人は自分自身で判断して決めるのではないでしょうか? ところが、金融商品となると「よくわからないから」といって、金融機関が勧めるままに購入する人がかなりいます。これは危険なことです。
金融機関の窓口の人は、顧客の利益を第一に考えている人ばかりではありません。「お客様にピッタリの金融商品です」は「当店の利益率のいちばん高い商品です」の翻訳かもしれませんし、「当店でいちばん売れている商品です」は「利益率が高いので、販売員全員が客に勧めていて、その結果当店でいちばん売れています」の省略形かもしれないからです。
手数料が高い金融商品を売りつけられるのも嬉しくありませんが、なかにはリスクが高いものもあります。それらは一般的に手数料率が高いので、販売員が熱心に勧めたがるという傾向があるのです。
投資は自己責任ですから、いくら販売員が熱心に勧めたとしても、結果が悪ければ自己責任です。販売員が責任をとってくれるわけではありませんから、買う前にしっかり理解して、自分の判断で買うことが重要です。「理解できないものには手を出さない」ことです。
「なんだか、すごそう!」なイメージだけで金融商品を買わないで
「ノーベル賞学者が難解な数式を駆使して開発した、画期的な金融商品!」などと聞けば、なんだかすごそうで、魅力的に感じますが、手を出さない方が無難です。また、たとえば「リバースデュアルカレンシー債券」などというものを勧められても、しっかり理解できるようになるまでは手を出すべきではありません。
金融商品の仕組みが理解できたとしても、「高い金利をお支払いする債券ですが、満期時にトヨタの株価が半分に値下がりしていれば、現金ではなくトヨタの株券をお渡しします」といった商品も避けたいですね。
トヨタの株価が半分になる確率は初心者には想像しにくいでしょう。プロが難しい確率計算をした結果を見ながら「このリスクを客に押し付けることができるなら、これくらい高い金利を払ってもまったく問題ない」と判断したから債券を発行したのでしょうから。
「無料でアドバイスします」のワナ
日本人は、情報は無料だと思う傾向が強いと言われています。インターネットで無料の情報が簡単に得られるようになってから、一層その傾向が強まったかもしれません。しかし、無料な情報のなかには危険なものも多いので、注意が必要です。「タダほど高いものは無い」のですから。
「無料でアドバイスします。各保険会社の商品を比較して、お客様に最も適した商品をご紹介します」という人がいます。会社であったりファイナンシャルプランナーであったりしますが、いずれも不思議ですよね。どうやって稼いでいるのでしょうか。
容易に想像できることは、顧客が保険に加入すると保険会社から謝礼がもらえるのだろう、ということですね。そうだとすると、多額の謝礼をもらえる商品を客に勧めるはずですが、それはきっと保険会社の利益率が一番高い商品ですよね。
そんなことなら、「相談料はいただきますが、商品は販売しません」というファイナンシャルプランナーに相談するほうが、結果として安上がりかもしれませんよ。
病気になった時には、自分で医学書を調べるより医師の診察を受ける人が多いですよね。それなら、金融商品の選択に迷った時も、若干の手数料を払って経験も知識も豊富なファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。
「自分で決めない」という意思決定も、重要な選択肢になる
金融商品の選択は難しいですね。株式投資では、売り買いのタイミングも難しいです。そんな時には、「自分では決めない」という意思決定が有効な場合もあります。金融機関で「世界中の株を少しずつ買う投資信託があるので、それを毎月1万円ずつ積み立てしたい」と言えばよいのです。
どの株を買うのか迷わなくても、世界中の株を少しずつ買うなら上がる株も下がる株もあるでしょう。いつ買うか迷わなくても、毎月買うなら高い時も安い時も買うことになるので、大損のリスクは小さいでしょう。株式投資は期待値がプラス(確率的には儲かる)ので、淡々と1万円ずつ買えば(よほど運が悪くない限り)長期的には利益が出るでしょう。
重要なことは、「自分で決めない」というルールを守ることです。株価が暴落すると狼狽して積み立てを止めてしまったり、持っている投資信託を売ってしまったりする人がいますが、それは「自分で決めている」のですから、ルール違反です(笑)。
「初心者は自分で考えると間違えるから考えないようにしよう」ということでルールを決めたのですから、自分で決めたルールはしっかり守りましょう。「株価暴落時、初心者が狼狽売りをすると暴落が止まって株価が戻る」という場合も多いですから。
本稿は以上ですが、資産運用等々は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。
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塚崎 公義
経済評論家
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