郊外戸建て vs 都心マンション、費用面は?
国土交通省『令和6年度 住宅市場動向調査』によると、土地を購入して注文住宅を新築した世帯の平均購入資金は6,188万円で、分譲マンション取得世帯の平均4,679万円を大きく上回ります。さらに戸建ては、外壁や屋根の修繕、給湯器・設備の交換、庭の手入れ、固定資産税など、マンションのような共用の積立金制度がなく、維持管理のすべてが自己負担となるため、長期的な支出は“購入時の想定を超えて増える”ケースがあります。
加えて、郊外の戸建て住宅については、将来的に買い手がつきにくくなる可能性や、資産価値の下落リスクが指摘されます。特に、駅からの距離がある物件や、高齢化が進む地域の住宅では、流通性が低下しやすい傾向にあります。
「もちろん、庭のある暮らしに癒される瞬間もあります。でも、ライフスタイルとの“ズレ”があると、どんな家も住みにくくなるんだなと実感しました」
現在、夫婦は将来的な住み替えも視野に入れつつ、楽しみとして家庭菜園やDIYにも力を入れています。
「家を買うって、“家そのもの”じゃなくて“どんな暮らしをしたいか”を考えることなんですね。私たちは理想にとらわれて、現実の生活動線をあまり考えていなかったのかもしれません」
世帯年収1,600万円という比較的余裕のある家庭でも、住宅選びの“想定外”は起こります。収入だけで判断せず、ライフスタイルや将来設計、地域のインフラなどを多角的に考えることが、後悔しない住宅選びには欠かせません。住宅購入は“人生の優先順位”を問われる大きな決断です。
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