(※写真はイメージです/PIXTA)

国土交通省は、法務省から入手した不動産登記情報と民間価格データを活用し、2018年1月から2025年6月までに保存登記された新築マンション約55万戸を対象に、取引の実態調査を実施した。調査対象は三大都市圏と地方四市であり、購入後1年以内の売買(短期売買)や外国居住者による取得の状況を把握することを目的としている。今回の調査により、特に都心部や大規模マンションにおいて短期売買が増加傾向にあること、国外からの取得も一定割合存在することが明らかになった。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

短期売買の割合と大規模マンションの特徴

調査では、短期売買を「保存登記から1年以内に所有権移転登記が行われたもの」と定義した。大規模マンションは1棟あたり保存登記件数が100件以上の物件とし、価格帯別の分析では都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区)の新築マンションを対象に、1億円未満、1億~2億円、2億円以上の価格帯ごとに短期売買や国外取得の傾向を整理している。

 

調査によると短期売買の割合は地域や立地、マンションの規模によって大きく異なっている。東京都を中心に神奈川県、大阪府、兵庫県の一部地域では、他の地域に比べ短期売買の割合が高く、増加傾向が見られる。

 

特に都心6区や大規模マンションでは、保存登記から1年以内に移転登記が行われる割合が高く、2024年上期のデータでは、大規模マンションの短期売買割合は9.9%、それ以外のマンションでは3.3%であった。都心6区に限定すると12.2%に達し、中心部ほど短期売買が活発であることが分かる[図表1]。

 

(出典)国土交通省「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について」
[図表1]東京23区の新築マンション(40m2以上)における短期売買の動向(大規模物件・大規模物件以外) (出典)国土交通省「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について」

短期売買は投資目的が多い傾向

短期売買の増加傾向は、投資や転売を目的とした購入が一定程度存在することを示唆している。特に供給量の多い大規模マンションでは、所有権の流動性が高く、短期売買が起こりやすい傾向がある。ただし、短期売買の割合はその年の供給物件の規模や専有面積、立地条件によって変動するため、年ごとの単純な増減には注意が必要である。

 

金子国土交通大臣は「マンション価格上昇の背景には需要と供給の両面で様々な要因があり、今回の調査のみで短期売買による影響を特定するのは困難である」と述べるとともに、「実需に基づかない投機的取引は好ましくない」と指摘し、今後もマンション取引の実態把握を継続する方針であることを示した。

東京都内で外国居住者の取得は3%

国外住所者による取得についても増加傾向が確認された。調査によると、今年上半期に東京都内の新築マンションを取得した人のうち、海外に住所がある者の割合は3%であった。都心6区に限定すると7.5%となり、中心部ほど国外住所者の割合が高くなる傾向が確認された。大阪府では2.6%、京都府では2.3%であった。

 

高額物件、特に2億円以上の物件における短期売買はそれほど活発ではないようだ。価格帯別で見ると、2億円未満の物件での国外住所者取得割合は約3.2%であるのに対し、2億円以上では3.8%程度であり、極端に高額物件での取引が多いわけではない。国外住所者による短期売買は23区で1.3%にとどまり、全体の取引に占める割合は限定的である[図表2]。

 

(出典)国土交通省「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について」
[図表2]都心6区における新築マンションの価格別の購入状況(2023年1月~2024年12月)(※年月は保存登記期間) (出典)国土交通省「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について」

 

今回の調査により、都心部や大規模マンションでは短期売買や海外住所者による取得が一定割合で存在することが明らかになった。一方で、高額物件における国外取得者の短期売買は限定的であり、購入層や目的によって動きに差があることも分かった。

 

国土交通省は今後もこうしたデータをもとに市場動向を分析し、住宅政策や市場監視に活用していく方針であるという。

 

 

THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班

 

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