本連載は、介護業界専門コンサルタントの齋藤直路氏の著書『はじめてでもわかる!介護施設&老人ホームのさがし方・選び方』(サンライズパブリッシング)の中から一部を抜粋し、住む介護施設である「老人ホーム」の特徴や選ぶ際のポイントを紹介します。

「有料老人ホーム」には3種類ある

問:老人ホームにはどんな種類があるの?

 

答:介護保険施設を除くと、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅が選択肢にあがりやすいです。

 

 

Webや書籍で介護施設を見ると、種類の多さにどう調べていいのか戸惑われる方も多いでしょう。介護保険の利用を前提とする施設と民間事業者が運営する有料老人ホームとに分けて考えるとすっきりします。

 

有料老人ホームは、入居者の介護度やかかる費用も非常に幅広いことが特徴です。介護保険で認定されなかった方や要介護度5でも入れる施設もあります。

 

以前は入居金が数千万円かかる高級ホテルのような施設が中心でしたが、最近では月10万円前後と介護保険施設並みの所もあります。全国の施設に申し込めるので選択肢が多い分、選ぶのが難しい面があります。

 

したがって選ぶ際には、目的をはっきりさせる必要があります。どんな状況、何が不安(不満)、どんな老後を過ごしたい、どんなことがいやだということを明確にすることが大切です。老人ホームは、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の3種類を指し、それぞれ特徴があります。

 

①介護付き有料老人ホーム

その施設の中で介護保険のサービスを受けられるようになっています。施設に勤務するケアマネジャーがケアプランを作成。同じく老人ホームに勤務するスタッフがサービスを提供します。

 

②住宅型有料老人ホーム

施設スタッフによる見守り、食事の提供、掃除・選択、レクリエーションなどを提供してくれます。介護が必要な場合は、外部の介護保険のサービス業者を利用します。

 

サービス付き高齢者向け住宅

サ高住とも呼ばれ、自立した方や要介護度が比較的軽い方向けの住宅でしたが、近年は中重度対応しているところが数多くあります。賃貸住宅のため、高額な入居一時金がいらないのが特徴です(敷金は必要)。

 

必ずついているのは、「安否確認」と「生活相談サービス」です。他の介護サービスは、併設や敷地内のサービス事業者と契約したり、近所のデイサービス、訪問サービス事業者などから選ぶことになります。

 

サービス付き高齢者向け住宅の特徴

●自立の方でも入居できる

●費用の幅が広い

●株式会社により運営されている場合が多い

売却・相続・賃貸も可能なシニア向け分譲マンション

<シニア向け分譲マンション>

民間事業者によって販売・運営されるバリアフリーの分譲住宅です。食事の提供や大浴場、カラオケルームなど高齢者に対応したサービスと設備を売物としています。

 

有料老人ホームとの違いは、所有権があることです。住宅ローンを組めるほか、売却、子への相続、さらには賃貸に出すこともできます。介護サービスは、入居者が外部の事業者を選んで個別に契約します。マンション共用施設に訪問介護事業所を併設するケースもあります。

 

<ケアハウス>

社会福祉法人や地方自治体などが運営する福祉施設です。自治体の助成があるため、民間の有料老人ホームよりも費用がかからないのが特徴です。軽費老人ホームと呼ばれることもあります。

 

自立でも1人暮らしなどで生活に不安がある高齢者や要支援の高齢者、特に75歳以上の後期高齢者を受け入れています。体系として、一般型と介護型の特定施設の2つに分類されます。

 

2種類のケアハウス

●一般型:職員による見守りが中心。食事はオプション。介護は、訪問介護や通所サービスなど各自で契約。

●介護型:24時間体制の介護サービスが付随。有料老人ホームよりも費用が安い。

定番必携 はじめてでもわかる! 介護施設&老人ホームのさがし方・選び方

定番必携 はじめてでもわかる! 介護施設&老人ホームのさがし方・選び方

齋藤 直路

サンライズパブリッシング

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