あっという間に中国と切っても切れない関係に…それでもこれまでの投資額で断トツの日本が「インドネシア」にとって重要である理由

あっという間に中国と切っても切れない関係に…それでもこれまでの投資額で断トツの日本が「インドネシア」にとって重要である理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

2010年代半ば、第一次トランプ政権下で米中関係は急速に悪化し、バイデン政権を経ても大きく改善することはなく、米中新冷戦に進む危惧が叫ばれるようになってきました。さらに第二次トランプ政権では、米国自身がこれまでの国際秩序をひっくり返そうとしているかのような動きを見せています。今回は、三尾幸吉郎氏の著書『図解 中国が変えた世界ハンドブック──9主要国の国益と対中関係から考える、米中新冷戦回避への道』(白桃書房)より、インドネシアについて経済面の特徴を解説し、米中の緊張を和らげるために何ができるのかを考えていきます。

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「石炭」シェア6割…中国の「工業原料」等の輸入元として不可欠な存在

中国がインドネシアから輸入しているモノを見ると(図表14)、第1位が「工業原料類」、第2位が「エネルギー類」、第3位が「食品類」で、合計すると9割を超えます。そして「機械・部品」「電気機器・部品」「輸送機械・部品」「精密機械・部品」などは数%に過ぎません。

 

「工業原料類」のうち石炭は、中国から見るとインドネシアが第1位の輸入元で、そのシェアは6割もあります(図表15)。さらにアルミニウムやEV(電気自動車)用電池の主原料となるニッケルといった卑金属(ベースメタル)およびその製品が極めて多いのも特筆すべき点です。

 

出典:CEIC(出所は中国税関総署)のデータを元に筆者作成
[図表14]中国のインドネシアからの輸入(2021年) 出典:CEIC(出所は中国税関総署)のデータを元に筆者作成

 

出典:CEIC(出所は中国税関総署)のデータを元に筆者作成
[図表15]中国の石炭輸入元別シェア(2021年) 出典:CEIC(出所は中国税関総署)のデータを元に筆者作成

 

また「エネルギー類」の輸入元としては、サウジアラビアなどの中東産油国、ロシア、米国、オーストラリアなどが目立ちますが、インドネシアからも6%ほど輸入しています。同様に「食品類」の輸入元としては、ブラジル、米国、カナダなどが目立ちますが、実はインドネシアも5%ほどを占めています。

 

このように中国にとってインドネシアは、「工業原料類」の輸入元として重要な位置にあるのに加えて、食糧安全保障上もエネルギー安全保障上も極めて重要です。

 

しかも、製造業の結びつきも深まりつつあります。インドネシアは前述のようにニッケル資源が豊富な国で、これまでは鉱石のまま輸出していたので、中国にとって工業原料類の供給元に過ぎませんでしたが、インドネシア国内にニッケル精錬工場を建設し、さらにはそれを載せたEV(電気自動車)も自国内で生産すべく、投資を積極的に誘致するなど製造業の強化を図っているからです。

インドネシアにとって中国も、「生活用品類」等の重要な供給元

一方、インドネシアにとって中国は、「生活用品類」や工業製品・部品・素材の重要な供給元です。

 

インドネシアが中国から輸入しているモノを見ると(図表16、ここでは中国からインドネシアへの輸出を表示)、中国が伝統的に強みを持つ「生活用品類」が16%を占めます。それを除くほとんどは工業製品・部品・素材です。「工業原料類」、「機械・部品」、「電気機器・部品」、「輸送機械・部品」、「精密機械・部品」を合わせるとおよそ8割を占めています。

 

出典:CEIC(出所は中国税関総署)のデータを元に筆者作成
[図表16]中国のインドネシアへの輸出(2021年) 出典:CEIC(出所は中国税関総署)のデータを元に筆者作成

 

10年ほど前(2010年)にはこの比率が7割ほどでしたので増加傾向にあります。特に「工業原料類」と「電気機器・部品」の増勢が顕著です。

 

ただし、前述した国内製造業の育成が軌道に乗ってくれば、インドネシアにとっての中国の位置づけも変化していくでしょう。

 

次ページインドネシアの産業構造は、「20年前の中国」とほぼ同じ

※本連載は、三尾幸吉郎氏の著書『図解中国が変えた世界ハンドブック 9主要国の国益と対中関係から考える、米中新冷戦回避への道』(白桃書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

図解中国が変えた世界ハンドブック 9主要国の国益と対中関係から考える、米中新冷戦回避への道

図解中国が変えた世界ハンドブック 9主要国の国益と対中関係から考える、米中新冷戦回避への道

三尾 幸吉郎

白桃書房

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