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似た国“ドイツ”との比較が日本の浮上のヒントに
なぜ日本で「失われた30年」が放置されてきたのだろうか。
国内消費、投資、輸出、賃金、どれをとってもはかばかしくない背景として、さまざまな人が、さまざまなことを発言してきた。ある人は「ゼロ金利政策」のせいであると言い、ある人は「円安」であると言い、ある人は「非正規雇用が増えたからだ」と言い、ある人は「人材育成投資が減少したからだ」と言う。恐らく、どれも正しいと思う。
だが、事の本質は一体何だろうか。この疑問点に答えられる人は極めて少ない、否、ほとんどいないだろう。それは比較する対象をもたないからだ。比較するとしても、日本を中国やバングラデシュと比較しても意味がない。日本とよく似た国と比較して初めて意味をもち、かつ日本の欠点がよくわかる。
なぜ日本は30年間、経済が低迷しているのか、「失われた30年」を終わらせ、かつての堅調な経済成長軌道に乗せるために、日本がやるべきことは何か――それを紐解く鍵が同じものづくりの国であるドイツにある。
筆者は、下記の5つの点からドイツが世界の多くの国々の中で、最も日本に近い、類似性の高い国であると考えている。
類似点1:
同じものづくりの国である。額に汗してものづくりをする職人を大切に扱っている。
類似点2:
ドイツの人口は日本の約3分の2であり、ドイツは「日本の3分の2サイズの国」と言われている。国土面積は日本の約95%。国の大きさが、大体、日本と似ているということである。
類似点3:
両国ともOECDに加盟しているように、世界の中で先進国扱いとなっている。
類似点4:
合成特殊出生率が、ともに低い。両国とも少子高齢化が進行している。そのため、国内市場が縮小しているなど、出生率の低さに起因する社会現象はほぼ共通である。
類似点5:
ドイツはロシアからの天然ガスの輸入に依存していたが、今、ロシアからの輸入を減らし、苦しんでいる。日本もまた、化石燃料の輸入価格が高騰して苦しんでいる。ロシア・ウクライナ戦争を契機にエネルギー問題で苦しむ光景は同じと言えよう。
