対立した過去もあったはずなのに…ロシア国民の7割が「中国に好意的」という衝撃。急速に強まる「中露」の連携

対立した過去もあったはずなのに…ロシア国民の7割が「中国に好意的」という衝撃。急速に強まる「中露」の連携
(※写真はイメージです/PIXTA)

ロシアは本来、欧米型の民主主義国家であり、共産党独裁の中国とは相容れないはずの国で、歴史的にも対立した過去がありました。しかし、プーチン政権下で「反米」の利害が一致し、両国の距離はかつてないほど縮まっています。米中対立が深まり、また米国の孤立主義が強まるなか、日本と国境を接する二つの大国が手を組む背景には、どのような力が働いているのでしょうか。三尾幸吉郎氏の著書『図解中国が変えた世界ハンドブック 9主要国の国益と対中関係から考える、米中新冷戦回避への道』より「ロシア」に焦点を当て、同国の対中・対米姿勢など、政治・社会の特徴を紐解きます。

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中国が「好ましい」71%…「反米・親中」のロシア

ロシア社会から見た中国文化は、言語・民族・宗教といった文化を異にする異質な存在ですが、異文化に触れようとする意識もあって、両国の地域間の交流は盛んです。

 

そうしたロシア社会の世論は親中のようです。ピューリサーチセンターの調査結果を見ると(図表3)、中国のことを「好ましい」と回答した人が71%、「好ましくない」と回答した人が18%と、差し引きプラス53ポイントでした。

 

出典:Pew Research Centerのデータを元に筆者作成
[図表3]ロシアの親米・親中分析 出典:Pew Research Centerのデータを元に筆者作成

 

他方、米国のことを「好ましい」と回答した人が29%、「好ましくない」と回答した人が60%と、差し引きマイナス31ポイントなので、ロシアは反米・親中の社会だと言えるでしょう。

 

したがって、当面は中国寄りの政権が誕生しやすい環境にあると見られます。

 

世界を見ると西洋諸国は「反露・反中」、途上国のなかには「親露・親中」の国も

ちなみに世界の親露・親中分析をしてみたところ(図表4)、米国など西洋諸国のほとんどは反露・反中でしたが、途上国の中にはタイなど親露・親中の国が少なくありませんでした。

 

またパキスタンやマレーシアなど反露・親中や、インドやベトナムなど親露・反中の国もありますので、もし中露同盟が成立した場合、これらの国々の世論がどう動くか注目されます。

 

出典:CEIC(出所はロシア連邦観光局)のデータを元に筆者作成
[図表4]世界の親露・親中分析 出典:CEIC(出所はロシア連邦観光局)のデータを元に筆者作成

国境を越え168万人…“ケタ違い”に交流していたロシアと中国

ロシアと中国の人的交流は国境を接していることもあって盛んです。ただし、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻で人的交流の環境が激変してしまいましたので、その前(2017年~19年)の平常時の状況を見ます。

 

ロシアへ入国した人のうち(図表5)、中国はこの間の年平均で168万人でした。日本は同11万人、インドは同8万人でしたので、中国の多さが分かります。ちなみに第1位はウクライナ(同823万人)、第2位はカザフスタン(同352万人)と隣接する国々でした。

 

出典:CEIC(出所はロシア連邦観光局)のデータを元に筆者作成
[図表5]ロシアの入国者の内訳(2017~19年平均) 出典:CEIC(出所はロシア連邦観光局)のデータを元に筆者作成

 

中国へ入国した人の内訳を見ても、ロシアは同時期の年平均で約250万人と、米国や日本とほぼ同水準で、英国やドイツのおよそ4倍でした(図表6)。ロシアと中国の人的交流は多いと言えるでしょう。

 

出典:CEIC(出所は中国文化観光部)のデータを元に筆者作成
[図表6]中国本土への入境者の内訳 出典:CEIC(出所は中国文化観光部)のデータを元に筆者作成

 

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※本連載は、三尾幸吉郎氏の著書『図解中国が変えた世界ハンドブック 9主要国の国益と対中関係から考える、米中新冷戦回避への道』(白桃書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

図解中国が変えた世界ハンドブック 9主要国の国益と対中関係から考える、米中新冷戦回避への道

図解中国が変えた世界ハンドブック 9主要国の国益と対中関係から考える、米中新冷戦回避への道

三尾 幸吉郎

白桃書房

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