(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の生活に備え、多くの人が「資産形成」や「住まいの確保」を重視します。しかし、そうして築かれた経済的な安心が、必ずしも“幸せな老後”を約束してくれるわけではありません。子どもや配偶者との関係、地域とのつながり――お金では解決できない問題が、老後の孤独感を深めることもあります。今回は、7,500万円の資産を持ちながら孤独な日々を送る一人の男性の“悔い”を通して、老後の「心の余白」について考えます。

音のないリビングと、過ぎ去った日々

「この年になると、物音がしないのが一番こたえます」

 

そう語るのは、東京都内の分譲マンションにひとりで暮らす元会社員の川本隆さん(仮名・78歳)。長年メーカーの営業職として働き、定年時には退職金と預金を合わせて5,000万円以上の資産を保有していました。その後も年金生活を堅実に送り、投資信託などの資産運用にも取り組み、現在の金融資産は約7,500万円にのぼります。

 

「数字だけ見れば、たぶん恵まれている方ですよ。でもね、『今日こんなことがあったよ』って話す相手がいないんです」

 

奥様は10年前に病気で他界。ふたりの息子は地方で家庭を持ち、年に一度会えるかどうか。ここ数年は、孫の顔も写真でしか見ていないといいます。

 

「一番こたえたのは、長男に『そっちには行かない』って言われたときですね」

 

川本さんは、奥様が亡くなった後、遺産分割の話をきっかけに長男と衝突したことがありました。相続の配分について、家族間で意見が分かれたのです。

 

「私は平等に分けたつもりだったんですけどね。長男は『あんたには金しかないのか』って言い残して、それっきり連絡を絶たれてしまって」

 

それを最後に、誕生日に送ったLINEも返事はなく、年賀状は「あて所に尋ねあたりません」と書かれて戻ってきたそうです。

 

高齢単身者の増加にともない、「老後の孤独」は社会問題としても注目されています。内閣府『高齢社会白書』によると、65歳以上の一人暮らしの者は男女ともに増加傾向にあり、昭和55年には65歳以上の男女それぞれの人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%であったところ、令和2年には男性15.0%、女性22.1%となっています。

 

2024年度からは「孤独・孤立対策推進法」が施行され、自治体レベルでも地域包括支援センターを通じた見守り体制の強化が始まっていますが、川本さんのように“物理的な孤立”ではなく、“心理的な孤立”に悩む高齢者への対応はまだ十分とは言えません。

 

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