(※写真はイメージです/PIXTA)

資産運用会社にとって、投資先企業への議決権行使は、受託者責任を果たす中核的な活動です。株主総会では株主提案や役員報酬を巡る議論に注目しがちですが、アライアンス・バーンスタイン(以下、AB)は、取締役の選任に関する議決こそ重要な投票行動のひとつであると捉えています。そこで今回は、取締役の選任が株価パフォーマンスに与える影響について、AB責任投資ヘッドの臼井はるな氏が解説します。

取締役会は株主が求める成果を上げているのか

効果的な取締役会とは、メンバー構成や組織の構造、実際の行動によって定義付けられます。たとえば、取締役の過半数が独立した監督者であり、多様なスキルや経歴を持っていること、複数他社との兼任をはじめ過度な外部活動がない点などが優れた取締役会を構成する条件になるでしょう。

 

取締役会における委員会や議決基準といった構造も説明責任を果たすうえで欠かせません。そして報酬の業績との連動、規律ある資本配分といった行動によって取締役会は価値を示します。

 

もちろん、すべての取締役会がこれらの基準を満たすわけではありません。投資家の利益の観点から見て、取締役会の方針が適切ではないと判断した場合、ABでは担当取締役に説明責任の遂行を求めることがあります。

 

たとえば、ある米国の大手銀行に対しては、過去のガバナンス上の欠落を認識し、取締役や経営幹部と複数年にわたりエンゲージメントを行うとともに、関連する取締役の選任には一貫して反対票を投じてきました。

 

最終的にこの銀行は、経営陣の報酬体系を改善し、全社的な企業カルチャーの改革を通じて監督メカニズムを変えました。

 

この企業の取締役会は株主が求める成果を上げているのか――。取締役の選任を突き詰めれば、投資家はシンプルな問いかけに立ち返ることになるはずです。

 

期待に応えられない取締役会は思わしくない結果をもたらし、全面的に支持できる取締役会は優れたパフォーマンスを期待できます。投資家からの監視を自覚しているとき、取締役会はうまく機能すると考えます。

 

〈出典〉

https://corpgov.law.harvard.edu/2025/03/10/2025-proxy-season-preview/

https://www.alliancebernstein.co.jp/knowledge/29285.html

https://www.alliancebernstein.co.jp/knowledge/32604.html

※ABは、エンゲージメントを行うことが顧客の金銭的利益に資すると判断する場合にエンゲージメントを行います。

 

 

臼井 はるな

アライアンス・バーンスタイン株式会社

責任投資ヘッド

 

※当レポートの閲覧にあたっては【ご注意】をご参照ください。

 

 

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【ご注意】※本稿は、ABのリサーチブログ「知の広場」のコーポレート・ガバナンスが運用リターンに与える影響:取締役選任を軽視してはならない を参考に、再編集したものです。詳細については当該ブログをご覧ください。

本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン・ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。

当資料は、2025年8月25日現在の情報等を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が再編集した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。アライアンス・バーンスタインはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。

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