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オーナー型株式投資がつくる豊かな世界
オーナー型株式投資は、単にお金を増やす手段ではありません。それは、個人のキャリアと経済的自立を支えるものであると同時に、社会に働きかけ、良き企業の成長を通じて豊かな未来を共に創り出す手段でもあります。
だからこそ、「もうお金は十分にあるから、投資の必要はない」と考える人にとっても、オーナーとしての投資には意味があります。自らの資本をどの企業に託すかという行為は、どんな社会を構想するのかという意思表示であり、まさに自己実現と社会貢献の交差点となります。利己と利他を調和させるその構造にこそ、オーナー型株式投資の本質的な意義があるのです。
日本では、企業が稼ぐことに対して「儲(もう)けすぎ」という言葉で批判的な視線が向けられがちです。利益をまるで汚れたもののように見る風潮さえあります。
たしかに、ブラック企業のように、従業員を酷使し、顧客を欺く企業が存在するのは事実です。しかし、そうした企業が上げる利益の規模はたかが知れていますし、長期的に顧客や従業員を欺き続けることなどできません。不正に基づく利益は「天網恢恢疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさずにしてもらさず」、いずれ露見し、市場からの退場を余儀なくされるのです。
一方で、顧客第一を掲げながら安売りに走り、利益を出せない企業も少なくありません。しかし、それは単に顧客の分かりやすい目の前にあるニーズの奴隷になっているにすぎず、顧客の本質的な課題を解決しているとは言えません。
特に先進国の消費者にとっては、財やサービス単体の「価格」「機能」以上に、デザインや包括的な利便性などの「意味」に購買行動の重点が移っているのです。企業の利益とは、単なる「安く作って高く売る」結果ではありません。顧客や社会の課題を発見し、それを解決した対価なのです。
大きな利益を上げる企業とは、「大きく」顧客や社会の課題を発見・解決する企業なのです。そしてまた、その企業が10年、20年、30年とその大きな利益を増大させ続けるということは、その企業は顧客や社会の課題を解決し続ける「偉大な企業」なのです。
あなたがその「偉大な企業」の株主になることでその持続的かつ巨大な利益の一部をオーナーとして享受できることは、数学的・法律的に約束された当然の事実であるとともに、結果的には社会が少しずつ、しかし確実に良くなっていることも意味しているのです。これこそがアダム・スミスが約260年前に提唱した「神の見えざる手(=資本主義の原理)」なのです。

