最も大切な「時間」をお金で確保することが可能に
楽器可防音マンションの建設だからといって、必ずしも全てのエリアで将来にわたって安定した稼働が見込めるとは限りません。都心までの時間や最寄り駅までの距離、周辺環境、今後の人口推移など、将来性が見込める場所でなければ、先祖代々所有している土地であっても、安易に開発を行うべきではありません。
ところで、マンションをゼロから建設するよりも、大きく時間を短縮できる方法があります。「新築賃貸マンションを一棟まるごと買い取ってしまう」のです。供給量は極めて少ないものの、新築一棟マンションが売りに出されるケースがあります。
これは不動産業者が土地を取得して建設した新築マンションを、区分ではなく一棟全体で販売しているものになります。すでに建築確認が下りて工事が開始されている建築中の新築物件、またはすでに竣工して入居者が入っているオーナーチェンジ型で、築後1年以内の新築物件が該当します。
不動産業者が販売している一棟マンションの場合には、業者の一定利益が載せられており、自分でゼロから土地を探して建設したマンションに比べると、やや割高で利回り(収益率)が低下するかもしれません。
しかし相続税対策として考えた場合には、マンション開発に要する期間を大幅に短縮することで、最も大切な時間をお金で解決することが可能になる、有効な打ち手の一つと考えてもよいでしょう。
物件の収益率よりも「資産価値」が重要となる相続税対策
相続税対策の場合には、物件の収益率よりも資産価値が重要となります。相続が発生し、相続税対策の役割を終えても、のちのち物件を売却する必要が出てくることもあるからです。その場合には購入時の利回りよりも、売却時の資産価値が下がらないことのほうがより重要になります。
高い利回りだけを求めるならば、土地価格の低い地方の物件や、建築コストの低い木造・鉄骨造のアパート等のほうが利回りは当然高くなります。しかし、人口が減少していく将来を考えた場合に、資産価値が下がらないのは東京の都心や城南エリア等の鉄筋コンクリート造のマンションだけです。耐用年数の短い木造や鉄骨造のアパートは、年月の経過とともに劣化が進み、評価が大きく下がることはやむをえません。
将来も安定したマンション経営が見込めるエリアの駅近立地(最寄り駅から徒歩10分以内)において、新築一棟マンションが販売されているのを見つけた際には、それを購入するのは優れた選択肢の一つといえるでしょう。
土地を含めた一棟マンションの購入であれば、借入れを併用することで、自用地にマンションを建設するよりも、より大きな相続税の節税効果が見込めます。抵当権の設定がされていない自宅などがあれば、共同担保にすることで、より大きな資産形成も可能になります。