「お母さん、これ、傷んでるよ!」「そんなことない」バリバリ
「実は〈まずいかも〉と思った出来事があって。1ヵ月前、母親が食事を出してくれたのですが…」
実家を訪問したのがたまたまお昼時で、綾子さんの母親は食事の準備をしていました。
「おそうめん、あんたも食べる?」
「ううん、ごはん食べてきたから大丈夫…」
ダイニングテーブルには、水に浸かって伸び切ったそうめんが入ったどんぶりと、めんつゆを入れたコップ、そして付け合わせの漬物がありました。
「最初は、〈いつゆでたそうめんなんだろう…〉と思ったのですが、それより、漬物が変色していて。鼻先に持っていくと変なにおいがしたので〈お母さん、これ、傷んでるよ!〉というと、〈そんなことない!〉といってバリバリ…。〈おなかを壊すよ、やめなさいよ〉といっても聞いてくれないんです」
綾子さんの会社には、両親を介護しているという同僚がいます。この一件について会社の昼休みに相談すると、認知症の始まりかもしれないと指摘を受けました。
「私は独身ですから、生きていくために働かないわけにはいきません。まだいまは同居でなんとかなっても、母が年齢を重ねれば、仕事と自宅介護の両立は不可能。母の安全のためにも、私の安心のためにも、施設に入ってもらえたらと思うのですが…」
施設入所の相談も「あんたは私のお金を狙っているのか!」
「そうめん事件」の翌週、綾子さんは施設入所の相談をするため、再度実家を訪問しました。ところが、施設の入所費用の流れから、母親の預貯金について話が及ぶと、母親は烈火のごとく怒りはじめたといいます。
「〈結局、そこか!〉〈あんたは私のお金を狙っているのか!〉といって叫ぶんです。明らかに、これまでの母と違っていて…。認知症の症状だと思います」
厚生労働省の資料によると、綾子さんの母親の年齢が含まれる75~79歳の認知症の有病率は、女性が7.4%。その後は右肩上がりに増えていきます。綾子さんの母親が認知症を発症していてもおかしくありません。
「行政の手を借りることは、もちろん視野に入れています。ですが、いまのところ、まだコミュニケーションはとれる状態です。母親の意思を無視して、すべてこっち主導で進めていいものなのか…」
「自宅の片付けはともかく、母親の資産状況がきちんと把握できないのは不安ですね…」
綾子さんは、これから始まる母親の介護の取り組みに、いまから戦々恐々としています。
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