ある日届いた「ピンクの封筒」の正体
そんなある日、日本年金機構から「ピンクの封筒」が届きます。封書は買い物をした店からのDMなども含めてたくさん届きますが、その時は「これは開封したほうがいい」――そんな勘が働いたといいます。
「赤って緊急性が高い時に使う色ですもんね。それ後から気づいたんですが、開封させるために色々考えられてるなと思いました」
そんなことを話す佐藤さん。いざ封筒を開けてみると、そこには未納になっている年金の支払いと延滞金の案内。さらに、「財産差し押さえの可能性」の文字が並んでいました。さらに、年金は本人だけでなく配偶者や世帯主にも連帯納付義務があることが記されていたのです。
「めちゃくちゃ慌てました。そういえば年金、払ってなかったっけ?って。しかも、封筒の山を探したら、それまでも黄色や水色の封筒が届いてたんです。でも、それ全部無視していたので……」
調べると、年金未納による差し押さえは珍しい話ではなく、実際に年間数万件規模で実施されていることが判明。会社員時代、年金は給与天引きだったため、未納のリスクを実感していませんでした。
「さすがに、すぐに支払いに行きましたよ! で、妻に事後報告したらめちゃくちゃ怒られましたね。すっかり信用を失いまして、経費の管理や確定申告も妻が確認するって。普段、年下の妻に格好つけてたところがあったんですが、ありがたいやら、情けないやらです」
独立するほどのスキルを持ちながら、事務やお金周りのことはどうにも苦手……そんな人は少なくありません。しかし、年金を納めるのは国民の義務。自分で支払わなくてはならない自営業者やフリーランスは特に注意が必要です。
また、自営業やフリーランスが加入できるのは国民年金のみ。厚生年金に加入できる会社員とは違い、老後に受け取れる年金額も少なくなります。そのため、付加年金や小規模企業共済、iDeCoの活用、自ら貯金・資産運用するなど、老後に対する準備を会社員以上に意識することが重要です。
自分のスキルで生きていくことは素晴らしいことです。しかし、会社に頼れなくなった以上、いくら事務や金銭管理が苦手といっても、それを無視することはできません。場合によっては、周囲の人に迷惑がかかることになる可能性もある――佐藤さんの経験は、それを教えてくれます。
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