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お墓の相続は、遺産相続とは「別扱い」
ご存じない方も多いのですが、お墓の相続は一般的な遺産相続と少し異なります。法律上、お墓や仏壇などは「祭祀財産」と呼ばれ、民法第897条に基づいて「祭祀承継者」となる人が引き継ぐことになっています。
つまり「長男だから」「親に頼まれたから」といった家の慣習によって決められることも多く、遺産分割の対象にはなりません。
また、お墓の承継は相続放棄の手続きでは処理できない問題でもあります。たとえ裁判所に相続放棄を申し立てたとしても、お墓の管理や供養の義務が別問題として残る場合があるのです。
「墓じまい」が増加する事情とは?
近年、「墓じまい」を希望する方が増えています。理由としては「子どもの負担になるから、お墓を引き継がせたくない」「地方にあるお墓を守る人が残っていない」といった事情が、そしてその背景には、少子化や都市部への人口集中、宗教観や家制度に対する意識の変化などがあると推察されます。
なかでも、地方にある先祖代々のお墓が、次世代にとって大きな負担になってしまうケースが目立ちます。
墓じまいの手続きと流れ
では、実際に墓じまいをする場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。
①改葬許可申請
まず、市区町村役場に「改葬許可申請書」を提出し、許可を得る必要があります。
②墓地管理者との調整
次に、現在のお墓がある霊園やお寺の管理者と連絡を取り、墓石の撤去や遺骨の取り出しなどの調整を行います。檀家制度のあるお寺の場合は「離檀料」が発生する可能性もあります。
③遺骨の移動先の確保
遺骨の移動先を確保します。近年では、新たな納骨堂や合同供養墓への改葬のほか、海洋散骨なども選択肢として注目されています。
墓じまいにかかる費用の目安
墓じまいにかかる費用は、内容によって異なりますが、一般的な相場は以下のとおりです。
墓石の撤去費用:10万~30万円程度
離檀料:数万円~数十万円
改葬先(移動先)での納骨費用:数万円~20万円前後
これらを合計すると、おおむね30万~100万円前後が目安とされています。
お墓の相続と墓じまいは早めの検討を
お墓は法律上、遺産とは異なる「祭祀財産」として扱われるため、相続放棄の手続きでは責任を免れない場合があります。
だからこそ「誰にも迷惑をかけたくない」「次の世代に負担を残したくない」というように考える方は、生前のうちに墓じまいを検討するケースが増えています。
お墓の承継や墓じまいは、法律・宗教・慣習など複数の要素が絡む、非常にセンシティブな問題です。判断に迷う場合は、まず専門家に相談しながら進めるのが安心です。
加陽 麻里布
司法書士法人永田町事務所
代表司法書士
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