自由も安心もない“老後の不安”、そして「罪悪感」
「もちろん、息子たちに対して愛情がないわけではありません。でも、時々ふと思ってしまうんです。『私はこの子たちの“人生の保険”だったのかな』って。自分の人生を振り返ると、老後にやりたかったこと、行きたかった場所、会いたかった人…全部後回しになってしまったなって」
息子たちに「早く出ていけ」と口に出せない理由には、節子さん自身の「罪悪感」もあるといいます。「うまく育てられなかったのでは」という自責の念が、強く心に残っているのだそうです。
高齢期に差しかかっても、親の年金に依存しながら同居を続ける子どもたち。自由も安心も手にできない“閉じた老後”は、今や他人事ではありません。
「老後は第二の人生」と言われても、その前提には“子の自立”という条件があるのかもしれません。人生の最終章において、自分の暮らしを大切にできるよう、制度だけでなく家族のあり方そのものを見つめ直す必要があるのかもしれません。
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