(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢になっても子どもと同居する世帯は少なくありません。厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者のうち約3割が子や兄弟姉妹などと同居しています。一見すると「家族で支え合って暮らす温かい生活」と捉えられがちですが、必ずしもそうとは限りません。とくに子どもが“経済的に自立していない”場合、親が高齢になっても生活の面倒を見続けざるを得ないケースも。

「いずれ出ていくと思っていた」想定外に長引いた“親子同居”

「まさか、こんなに長く一緒に暮らすことになるとはね…」

 

東京都郊外の住宅地に暮らす78歳の田島節子さん(仮名)は、50代の息子2人と同居を続けています。夫は10年前に他界し、現在の家計は、月19万円ほどの遺族年金と夫のわずかな預貯金に頼っています。

 

息子たちは大学を卒業した後、就職はしたもののどちらも長続きせず、40代になるころには完全に“非正規の渡り歩き”状態に。長男は現在もアルバイトを続けており、次男は近年ほぼ無職。「仕事が決まらない」と言っては家にこもる日々が続いています。

 

「最初は、一時的なものだと思っていたんです。『次の職が見つかるまで』とか、『資格を取るための勉強期間』とか…。でも、気づけば10年、20年と経っていて、このまま私が死ぬまで、彼らの食事や生活の世話をし続けるのかと考えると、息が詰まりそうになります」

 

節子さんの一日は、炊事、洗濯、掃除といった家事でほぼ終わります。息子たちが家にいるため、朝昼晩の食事の用意が欠かせません。たまには外食を…と思っても、「そんな余裕あるの?」と息子たちに言われる始末。休日も旅行どころか、近所の買い物以外は外出する気にもなれず、「家に“居場所がない”と感じることさえある」と語ります。

 

「正直、2人に出ていってほしいと思ったことも何度もあります。でも行き先がない。自立できる経済力がない。結局、どこにも追い出せないまま今日まで来てしまいました」

 

近年、「高齢親の年金に頼って暮らす中年の子どもたち」が社会問題として注目されるようになってきました。いわゆる「8050問題」にも通じるこの状況。親が80代、子が50代となるころには、双方に十分な収入がないまま“高齢者同士の扶養”のような構図が生まれ、生活困窮に陥るリスクが高まります。

 

生活保護などの支援制度もありますが、同居している場合は「世帯単位」で収入を合算されるため、親の年金額が一定以上あると子ども個人が生活保護を受けることは困難です。親が亡くなったあとに初めて「経済的に詰む」ことも珍しくありません。

 

 \1月20日(火)ライブ配信/
調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

次ページ自由も安心もない“老後の不安”、そして「罪悪感」
カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録