ワンルームマンションの台頭
ワンルームマンションとは、かつてのアパートの間取りのように畳の部屋と水回りが壁や建具で仕切られ、床も板の間やタイルで切り替えられているような部屋ではなく、一体化した部屋の中にユニットバスとミニキッチンを配置したような構成の住戸を並べたマンションのことである。住戸の中でもっとも、手間暇と金のかかる水回り工事を簡素化したことに特徴がある。
1964年の東京オリンピックの頃に発明された、プラスチックで防水された箱型の風呂ユニットの存在によって、普及が進んだ。特にカプセル住宅といわれた最小限住宅が象徴的で、外食や食事の持ち帰りを前提とし、家の中で無理に調理もしなくていいという考えで、小型の冷蔵庫に小さなシンクと簡易なヒーターのみを備えている。
部屋の広さは、ユニットバスとミニキッチンの部分を含め、ワンルーム制限のかかる25m2前後を基に、各行政区ごとに設けられている総戸数との兼ね合いで計画される。
しかしながら、管理人室も共用のゴミ置き場や駐輪・駐車場も不十分な計画が多く、都内私鉄沿線に建設され始めた当時は、ゴミや自転車の放置などで近隣との揉め事が増えていったため、こうした小さな部屋に独身者を多く住まわせるマンションの戸数を減らす、ワンルーム規制という条例が生まれたのである。
バブル後の不況の一時期は一戸あたり400万円以下という現在の住戸建設費の半額以下で、廉価な事業用アパートも企画された。
それらは、かつての風呂なしトイレ共同アパートよりは見かけはいいものではあるが、その実、壁の断熱性能や内装を単純化したものも多く、住まいの性能よりも、部屋数と家賃だけを根拠に事業の表面利回りによってのみ査定され、現地も見ることなしに購入したオーナーも多かった。
建築エコノミスト/一級建築士
森山 高至
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