「家族に協力する姿勢があってもいいのではないかしら?」
陽子さんは、孝弘さんとの話を無理やり話を打ち切ると自室にこもり、翌朝も顔を合わせなくてすむよう、普段より2時間も早く出勤しました。
会社のデスクでコーヒーを飲みながら気持ちを落ち着けていると、スマホに見慣れない番号から着信がありました。
「もしもし…?」
「陽子さん? 私だけど」
電話をかけてきたのは姑でした。
姑は、孝弘さんが話した計画の通りにするよう、強い口調で主張を繰り返しました。
「陽子さん、いい? あなたが優雅に暮らせてきたのは、お父様のお力もあったでしょう。でもそれだけじゃない、孝弘のおかげでもあるのよ。少しは家族に協力する姿勢があっていいのではないかしら? 水臭いことをいわずにみんなで…」
「お義母様、すみません。これから会議なのでお話できません。失礼します」
姑の言葉で、陽子さんの心が決まりました。
「あの電話で〈あ、もう無理〉と心が決まりました。あんなに仲がよくて、大好きだった夫への愛情が、一瞬で吹き飛んでしまったんです」
現在、陽子さんはいま、知り合いのツテをたどって弁護士探しに奔走しています。
「父は私の幸せを願っていたはず。夫のこともかわいがっていました。それが、こんなことになってしまって…」
「離婚は長丁場になるかもしれませんが、もう信頼できない人とは結婚生活は送れません」
陽子さんはこれから、ハードな離婚の話し合いに臨むことになります。
参考:法テラス「相続に関するよくある相談」「離婚に関するよくある相談」
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