前回は、アンティークコインをネットオークションで購入する際の留意点について取り上げました。今回は、アンティークコインの売買において、付き合う業者を複数にすべき理由を見ていきます。

売却相手がひとつに限定されることを避ける

ネットオークションの危険性については、前回に述べた通りです。大手オークションサイトであっても、どのようなコインが売られているのか、また価格帯はいくらかといった調査にとどめ、実際に売買は控えてください。国内外を問わずに同様です。

 

また国内で行われている実際のオークションについても、いきなり参加されるのは現実的ではありません。すると、購入する際には必然的に業者を訪れることになります。最初は何カ所か回ってみて、品ぞろえや価格帯を確認されることをおすすめします。また実際に売買を通じて付き合いをスタートした際、1社オンリーだけなく、常に2社程度と付き合いを持つようにしましょう。

 

ただし、それなりに高価な物の購入となるわけですから、やはり対面で、というのが基本だと思いますが、対面でやっている店舗は非常に少ないのも事実です。

 

ウェブサイトのみで販売をしている店舗は多数あります。問い合わせをすれば比較的レスポンスよく応答もしてくれるでしょう。ただし、やはり顔を見ずに、物を見ずに・・・というのはなかなか勇気がいる事でしょう。業者を色々と回ってみるのも良いかと思います。そこで向き不向き、合う合わないというものが見えてくるでしょう。

 

例えば、私のところだけで売買をしていただければ、それはもちろんありがたいのですが、売買情報の出所が限定されてしまう可能性があります。また、当社で買われた商品を売却する際、売り先が当社となってしまうと、うちのお客様の間だけで回してしまい、買い手が限定されるリスクがあります。商品の希少性やアンティークコインとしての価値が担保されていれば、そのような心配はもちろん無用です。

業者によって得意分野が異なる点にも注意

ほかに複数の業者との付き合いをおすすめする理由は、業者によって得手、不得手があるためです。

 

アンティークコインといっても、アメリカ、ヨーロッパとそれぞれ分野が分かれます。またヨーロッパのなかでも、イギリスには強いがドイツはそれほどでもない、といった特色があります。業者に得意分野を直接聞いて、自分が好みのコインがそろう業者を見つけてください。また業者はそれぞれつながりがありますので、「イタリアコインを探している」と聞けば、「それなら〇〇コインさんが品揃え豊富です」と教えてもらえるはずです。

 

ご自身のなかでそれらの情報がそろえば、適正価格、買う業者、売り先業者などがわかってきます。そのうえで、納得して購入されることをおすすめします。闇雲に購入するのはリスクが高くなるので、くれぐれもご注意ください。

 

海外コインの老舗「ダルマコイン」/海外コインの品揃えの幅はピカ一「ワールドコインズジャパン」/銀座の老舗「銀座コイン」/モダンコインが豊富「泰星コイン」/ネットのみですがアメリカコインの品揃えNo.1の「ゴールドコイン」/関西はお任せ「コインパレス」・・・他にも多数ありますが、これらの店舗と比較しながら購入の参考にしていただければと思います。

本連載は、2016年11月20日刊行の書籍『海外富裕層がやっている“究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

海外富裕層がやっている “究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門

海外富裕層がやっている “究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門

西村 直樹

幻冬舎メディアコンサルティング

ギリシャ危機、イギリスのEU離脱・・・グローバル化した経済の中では、世界のどこかで何かが起これば金融相場の激しい変化に直結します。株も投資信託も不動産も、安心して保有できる資産ではなくなっています。 しかし、資産…

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