前回は、世界の市場規模が1兆円強となっているアンティークコイン取引の現状について取り上げました。今回は、欧米では常識となっている、アンティークコインは価値を生むという考え方を見ていきます。

アメリカでは「コインは文化」として捉えられている

現状では市場規模が最も大きなアメリカであっても6000億円程度。日本よりは遙かに大きな数字ですが、これには理由があります。

 

 

アメリカの場合、コインは文化として捉えられています。アメリカを訪れると、街に1軒はコインショップがあります。コンビニの数より多いと言われるほど、コイン商が数多くあるのです。アメリカを訪れたことのある方でしたら、街を歩いていて目にされたことも多いのではないでしょうか? 日本では全く想像できない状況ですが、それだけアメリカ国民の間にアンティークコイン文化が根付いている証といえます。

 

アメリカの家庭ではお父さんが持っているアンティークコインを自分の子供に渡し、「この5ドルのコインが10年後にショップに行っていくらになるか調べてごらん」と伝える場面が多くあります。実際に子供が換金に行くと、5ドルのアンティークコインが100ドルや200ドルという価値になっているわけです。

 

なぜこれをやるのかというと、アンティーク品が価値を生むということを実際に体験させるためです。国の歴史が浅いため、アンティークというものがアメリカ人の心に響くのです。数百年から1000年の歴史を持つアンティークコインが広く認知されており、家庭のなかにまで根付いているのもうなずけます。

大英博物館の向かいに並ぶコインショップ

ヨーロッパはもっと身近で、イギリスにある大英博物館の向かいには3軒のアンティークコインショップが軒を連ねています。自国や、地続きの他国の文化を知るためにも必要なことだと言えます。

 

 

アンティークコインの歴史を学ぶ「貨幣学」はアメリカ、ヨーロッパでは当たり前の学問です。この学問にはアンティークが価値を生むということも学びます。しかし日本では貨幣学という学問はありません。昔から、収集を目的としたコレクターはいらっしゃいましたが、それはあくまで収集を目的としたもの。投資や資産保全といった目的も含め、日本で集める方が増えてきたのはここ数年〜10年程度ではないでしょうか。

本連載は、2016年11月20日刊行の書籍『海外富裕層がやっている“究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

海外富裕層がやっている “究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門

海外富裕層がやっている “究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門

西村 直樹

幻冬舎メディアコンサルティング

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