(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親と離れて暮らしている、あるいは同居していても別室で寝ている――そんな中で、夜中に異変が起きるケースが少なくありません。今回は、実家で母と二人暮らしをする男性が経験した、ある冬の夜の出来事を通じて、「見守り」と「緊急対応」の必要性を考えます。

「同居していれば安心」は幻想?在宅介護の落とし穴

浩二さんは「同居しているから大丈夫」と安心していましたが、実際には「別室で寝ていたら、夜中に起きた異変には気づけない」ことを実感したといいます。

 

「今思えば、何かしらの見守りセンサーや通知機能が必要だったのかもしれません。でも、自分も仕事で疲れていて、そこまで気が回らなかった」

 

在宅介護においては、「近くにいる=安全」ではないことを改めて認識させられます。夜間の見守りには、センサーやカメラ、ドアの開閉通知アラームなどの導入も一つの方法です。

 

また、市区町村によっては「高齢者見守りサービス」や「徘徊高齢者探索システム(GPS端末)」の助成制度が用意されている自治体もあります。

 

「もしあの時、電話に気づかなかったら……。母はそのまま凍えていたかもしれません」

 

そう語る浩二さんは、今回の一件をきっかけに、介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談し、夜間対応を含めたケアプランを見直したといいます。

 

家族で介護する場合でも、地域包括支援センターや介護保険制度を活用することで、24時間の見守り体制を整えることも可能です。

 

今回のケースは、母親が電話をかける力が残っていたこと、息子がすぐに気づいて対応できたこと、そして搬送が間に合ったこと——すべてが奇跡的に重なった“運のよい”結果でした。

 

しかし、これは決して他人事ではありません。高齢者との同居や、近くに住む家族がいる場合でも、夜間の緊急事態は“突然”訪れるのです。

 

「いつか来るかもしれないその瞬間」に備え、家族での話し合いや制度の活用、見守りの仕組み作りを早めに始めることが、何よりの「親孝行」かもしれません。

 

 \1月20日(火)ライブ配信/
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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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