(※写真はイメージです/PIXTA)

近年、FIRE(早期リタイア)や“人生の後半は自由に暮らす”という価値観が注目されています。老後資金が潤沢にあれば、旅行や趣味に時間を費やし、自分らしく生きられる——そんな夢に共感する人も多いでしょう。しかし、いざ“何でもできる”生活を始めた後に、ふと「本当にこれでよかったのか?」と立ち止まる人もいます。

「お金は使い切る」宣言で始まった、優雅なリタイア生活

「老後、誰かに迷惑をかけないだけの資産は十分ある。だったら、使い切って死のうと決めたんです」

 

そう語るのは、東京都内で定年まで勤め上げた元会社員の河村達郎さん(仮名・現在68歳)。結婚歴はなく、定年退職時点で保有資産は約9,000万円。退職金と持ち家の売却益を合わせて、悠々自適な老後のスタートを切りました。

 

最初の1年間は、自宅マンションを売却し都心の賃貸に移住。そこを拠点に、ヨーロッパやアジアへの長期クルーズ旅行を複数回経験しました。1回の旅行にかける費用は約150万円。現地では高級ホテルに宿泊し、現地ツアーやグルメも満喫。「一生で一度は」と思っていた豪華な旅を、いくつも実現していったといいます。

 

しかし、2年目に入る頃から、心境に少しずつ変化が表れます。

 

「最初はすべてが新鮮でした。でも、3回目のクルーズあたりから“ああ、またこの流れか”と感じるようになったんです」

 

確かに絶景も料理も素晴らしい。でも、どこか“惰性”で旅をしている自分に気づき始めたと河村さんは言います。豪華な旅の記録をSNSに投稿しても、「誰が見ているんだろう」という虚しさが募る日々。友人と会う頻度も減り、1人での移動・食事・観光が当たり前になった頃、ふと「寂しい」と感じる瞬間が増えていきました。

 

そうした心境の変化を経て、河村さんは暮らしを見直します。海外旅行の頻度を減らし、地元のコミュニティ活動に参加し始めました。近所の子ども食堂への寄付や、ボランティア活動など、「ささやかながら、社会と関わっている」と実感できることが、何よりの充実感につながっているそうです。

 

「お金は、あの世には持っていけません。でも、“誰かのために使った記憶”は、自分の中に残る。それが心の支えになるんです」

 

 \1月20日(火)ライブ配信/
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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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