「定年退職するまでは、ずっと安泰」の落とし穴
役職定年制度の導入により、55歳以上の役職者は全員役職を外れ、一般社員として勤務することに。Aさんもこの制度の対象となり、年収は一気に3割減の600万円台に。役職手当は消滅したうえ、退職金や賞与も再計算され減額されることになりました。
「なんていう横暴だ……」 顔面蒼白になったAさんは思わず社長に直談判しました。
「30年以上この会社のために尽くしてきたのに、あまりに残酷ではないですか」と。しかし返ってきたのは冷ややかな言葉でした。
「本当に誠心誠意働いて、会社に貢献してきたといえますか? Aさんの評価は芳しくないと聞いていますよ。不満なら残っていただく必要はありません」
愕然としました。部下に任せきりで過ごしてきたツケが回り、いまさら一般社員としてバリバリ働けるスキルもありません。貯金は700万円。ローンを抱えるマンション、教育費のかかる娘。これまでの生活は「これからも収入が増える」という前提で成り立っていたのです。
役職定年は、その前提を崩してしまったのです。
「これからどうしたらいいんでしょうか……」。途方に暮れながらも、今の会社にしがみつくしか選択肢はないと言います。
Aさんのケースは決して特別ではありません。役職定年は多くの企業で導入されており、誰にでも起こりうる現実です。また、時代は「70歳まで働く」ことが当たり前になりつつあります。働ける場があること自体は希望でもありますが、その内容や待遇が想定通りとは限りません。
大切なのは、「会社も自分も変化する」という事実を早めに受け入れて、準備をすることです。Aさんはぬるま湯につかるように漫然と働き、マネープランも楽観的でした。役職定年は想定外だったかもしれませんが、何が起きても大丈夫なように50代前半からスキルを磨き直したり、きちんと家計管理をしたりしていれば、これほど困ることもなかったでしょう。
Aさんが痛感したように、これからの時代は「年齢を重ねても働き方を変えながら生きていく」のが現実です。健康を保ち、スキルを更新し続けること――それが長い人生を支える、いちばんの保障なのかもしれません。
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