(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者の生活実態は、外見や口ぶりだけではなかなか分かりません。「年金だけで慎ましく暮らしている」と話す人のなかにも、実は不動産収入や株式配当などで多額の不労所得を得ているケースがあります。反対に、見た目は裕福そうでも、実際は貯蓄が尽きかけているという人も。資産や収入が“見えない”時代、老後のリアルな生活像を見誤らないためにも、こうしたギャップに目を向ける必要があります。

見えない「不労所得」の制度的背景

高村さんのように、年金以外に多額の不労所得を得ている高齢者は少数派です。総務省『家計調査』(2024年)によると、高齢単身無職世帯の実収入は月平均約13万円で、その9割以上を公的年金が占めています。

 

一方、上場企業からの配当金は「配当所得」として課税対象になります。現在は申告分離課税を選択した場合、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%を加えた計20.315%の税率がかかります。高村さんも毎年、自分で確定申告を行い、正しく納税しているとのこと。

 

「税金がかかるのは当然だよ。ルールを守ってこそ、安心して保有できるからね」

 

株式投資にはリスクもありますが、高村さんは大暴落の局面でも売らずに耐え、むしろ買い増してきたといいます。その忍耐と節約が、配当収入という“見えない年金”を作り上げたのです。

 

ただ、高村さんのように誰にも資産を打ち明けずにいると、相続時にトラブルになる可能性もあります。国税庁の『相続税の申告状況』によれば、申告漏れの財産のうち、上位を占めるのが現金・預貯金・有価証券です。誰にも知られずに亡くなれば、相続人が口座を把握できず、遺産が「眠ったまま」になることも。

 

「遺言書は書いた方がいいとは思っている。でも、まだそこまで老け込んでないつもりでさ」

 

そう話す高村さんですが、最近になって信託銀行への相談を始めたそうです。

 

高村さんのように、表面的には「年金生活者」でも、実際は資産家というケースは稀ではありますが、確かに存在します。そして、こうした人々は口を揃えて「人間関係の変化が怖い」と語ります。

 

一方で、何も知らされていない家族や周囲が、相続・介護・金銭トラブルに巻き込まれる可能性もあります。老後資金の問題は、見た目の生活レベルでは測れません。だからこそ、「誰とどう共有するか」もまた、老後の安心につながる重要なテーマです。

 

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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