生活に必要なお金と余剰資金の把握…「人生の見直し」
隆二さんは、すぐにファイナンシャルプランナーに相談しました。そして、生活に必要な費用と余剰資金を把握し、余剰資金についてはこの先発生するかもしれない介護費用や医療費を除いた金額だけを計画的に使うことにしたのです。
年金月35万円以外に、今後の生活に必要な資金は約1,000万円。残りの2,000万円は緊急な支出のための資金として取っておくことに。結果、隆二さんが交際費として使えるお金は月2万円程度になりました。隆二さんは受け取る年金額が多いため、医療費の自己負担が2割であり、今後通院などが続くことを考えると医療費の確保も必要だからです。
隆二さんは飲み会に参加する回数を減らし、奢ることをやめました。体力も少しずつ衰え、免許返納を考えていたタイミングだったため、ゴルフもやめることにしたといいます。
元来寂しがり屋な隆二さんは、人と話すのが大好きです。飲み会やゴルフの削減で生きがいを失ってしまうのでは……妻はそう心配しました。ですが、地域のボランティアに参加したり、町内会の活動に参加することで友達を作ることができ、新たな人間関係を楽しんでいるといいます。
老後のお金の使い方を早くから決めておくことが大切
隆二さんほど恵まれた退職金や年金をもらう人は少ないかもしれませんが、資産が豊富にある人はいます。問題は、どのように使うかです。隆二さんも、定年時に6,000万円の資産と35万円の年金があったものの、今後の生活や支出を妻ときちんと話し合うべきでした。
老後資金の余裕を知るには、毎月の生活費や平均寿命までの資金を確認し、余剰分だけを無理なく使うことが大切です。見直しは一度きりでなく、ライフイベントに応じて再計算するとよいでしょう。
老後は孤独感に悩まされる人が多く、隆二さんも社会との繋がりがなくなることを恐れて、飲み会やゴルフなどを続けていた側面がありました。しかし、お金がなくても趣味や交流を工夫すれば、充実した生活は可能です。
今後は少子高齢化に拍車がかかり、物価の上昇も続くことが考えられます。それらを意識しながら、老後のお金の使い方を早くから考えておくことが大切だといえるでしょう。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP®
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