遅れて訪れた結婚、待望の娘の誕生。喜びの裏で、静かに始まっていたのは教育費と住宅ローンの重圧でした。子どもに注ぐ愛情とお金を優先し、自らの老後資金に手が回らない――。Aさん(65歳)が語る現実は、晩婚・高齢出産の世代にとって決して他人事ではありません。詳しく見ていきましょう。

教育費と老後資金の両立の厳しさ

Aさんは、こう語ります。

 

「晩婚、晩産というのは、現役として働ける時間が短いということ。家を買ったことも、娘を私立に進学させたことも無謀でした。マイホームを持つ、子どものために教育費は惜しまない。そんな理想に縛られて、冷静に先を見通すことができなかったのです」――Aさんは振り返ります。

 

厚生労働省の人口動態調査によれば、2023年の初婚年齢は夫31.1歳、妻29.7歳。母親の平均出産年齢も1980年の26.4歳から2022年には30.9歳まで上昇しました。40代で親になる家庭では、教育費のピークと老後資金の準備が重なり、両立が極めて難しいのです。

 

現在、Aさんの家庭では日々の生活費を細かくやり繰りする日常が続いています。妻はスーパーで商品の値段を比較し、無駄を徹底的に省いた買い物を心がけ、外食もほとんどしません。医療・介護費といった将来の出費への不安も常につきまとい、体力面の衰えも現実味を帯びてきました。

 

一方で、娘は家庭の状況を理解し、大学では奨学金を借りてアルバイトにも励んでいます。そんな姿を見てAさんは「今こそ娘に美味しい食事に連れて行ったり、欲しい物を買ってあげたりしたい」と願いますが、現実にはなかなか叶えられません。

 

Aさんの歩みは、教育費と老後資金の両立がいかに難しいかを物語っています。バランスを意識して準備を進めなければ、老後は厳しいものになるかもしれません。晩婚・高齢出産が一般的になる今、そこに潜むリスクは、決して他人事ではありません。

 

【参考】厚生労働省「人口動態調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html

 

 

 

 

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