前回は、沈下した工場の建物基礎を修正する「アップコン工法」について説明をしました。今回は、土壌汚染の心配も少ない「ウレタン樹脂」の安全性について見ていきます。

固まったウレタンは非常に安定し、溶け出すことはない

Q:床下にウレタン樹脂の薬液を入れるなんて、あとあと大丈夫なのですか?

 

 

土壌汚染などの問題は起こりません。

 

修正工事の際、ウレタン樹脂の薬液は正しい割合で混合されます。すると、床下で即座にゲル状になり、次いで固体になりますから、余分な薬液が周辺に染み出して悪影響を及ぼすことはありません。

 

また、固まったウレタンは非常に安定した状態にあるので、これが地下水や土中の物質と反応して溶け出すこともありません。つまり、土壌を汚染することはないのです。

ウレタンを通した水は金魚も泳げる

もっとわかりやすい例をお話ししましょう。

 

以前、私の会社の応接スペースには、金魚が泳ぐ水槽を置いていました。応接スペースに置くぐらいですから、もちろんただの水槽ではありません。水槽内の上部が固体となった硬質発泡ウレタン樹脂でふさがれ、その上から水が注がれるのです。水は、ウレタンを通って底に溜まり、そこで金魚が泳いでいるという水槽です。

 

これは、沈下修正用のウレタンを応用してつくった緑化用のウレタンですが、訪問された方は、この水槽を見ることで、アップコン工法のウレタンは安全な物質である(少なくとも金魚にとっては)ことを瞬時に理解されていました。

本連載は、2016年11月25日刊行の書籍『改訂版 不良品が多い工場の原因は地盤が9割』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

改訂版 不良品が多い工場の原因は地盤が9 割

改訂版 不良品が多い工場の原因は地盤が9 割

松藤 展和

幻冬舎メディアコンサルティング

4年前出版し関係者の間で話題沸騰したあの書籍が、「傾いた床」による様々なリスクを追加収録し、 【改訂版】としてパワーアップして帰ってきた! たった0.6度の床の傾きで、業務も傾く! 日本の建物の9割が地盤に起因…

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