先週は、日銀副総裁の講演や7月の米国JOLTSに注目
先週は、氷見野日銀副総裁の講演や7月の米国JOLTS求人件数に注目しました(図表1)。
2日に釧路市で講演を行った氷見野日銀副総裁は、今後の金融政策について「経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合を調整することが適切だ」との従来の見解を述べるにとどめ、早期の追加利上げに慎重な姿勢を示しました(図表2)。
氷見野日銀副総裁は、米国の関税政策の影響や物価、金融政策についてメインシナリオを説明しつつ、特に関税政策の影響については「思ったより小さくなる可能性も、大きくなる可能性も、両方考えられるところで、当面は大きくなる可能性のほうにより注意が必要」との見解を示した点が、市場ではややハト派的と受け止められました。
氷見野日銀副総裁は、利上げを決定した1月会合の直前に「利上げを行うかどうか政策委員のあいだで議論し判断する」と述べていただけに、市場ではタカ派的な姿勢が示されるとの期待が一部にあったとみられます。
7月のJOLTS(求人労働異動調査)では、求人件数が718.1万件(6月:735.7万件)と2ヵ月連続で減少し、市場予想(738.0万件)を下回りました(図表3)。
パウエルFRB議長が労働需給を把握するうえで重視する失業者1人当たりの求人件数は3月の1.02件から5月に1.07件へ上昇したものの、6月に1.05件へ低下し、7月には0.99人と1件を下回りました。1件を割り込むのは2021年4月以来で、求人件数の減少が続けば失業率が急上昇するリスクを示唆しています。
低調な7月のJOLTSは、9月FOMCでの利下げを正当化するものであり、その後の利下げペースを見極めるうえで8月の雇用統計が重要な手がかりとなります。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…9月第1週の「世界経済」の動き』を参照)。
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
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