さらに生活が苦しくなる? スタグフレーションの可能性も
もはや、日本の物価上昇率は主要国の中でもトップクラスに位置しており、完全にインフレ国家へ移行した状態と言えます。
問題は、物価の上昇に対して国民の賃金の上昇がまったく追いついていないことです。大企業では賃上げが進んでいるものの、それは一部の話。日本全体で見れば、実質賃金(物価を考慮した給料の実質的な購買力)は1990年代からほぼ横ばいか、マイナスです。
(資料)OECD Data Explorer(2025. 1. 16)
つまり今、多くの日本人が直面しているのは、「収入はそれほど増えていないのに、日々の生活費だけがどんどん上がっていく」という厳しい現実です。
あらゆる生活コストが上がっていく中で、手取りは増えず、可処分所得(自由に使えるお金)は目減りしていく一方。この状況が続けば、経済が停滞する中で物価だけが上がり続ける「スタグフレーション」のリスクが現実味を帯びてきます。
スタグフレーションとは、インフレと景気低迷が同時に進行する、もっとも厄介な経済状態の一つ。歴史的にも、構造的な問題を抱えた成熟国家が陥りやすいパターンであり、国民生活に甚大な影響が及ぶ可能性があります。
物価は上がり、収入は増えず、金融政策は手詰まり――。こうした状況が現実化すれば、多くの国民が資産の目減りに苦しむことになるのです。
宮脇 さき
個人投資家・富裕層向け海外移住コンサルタント
※本記事は『世界の新富裕層はなぜ「オルカン・S&P500」を買わないのか』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。
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