誰が買うんだ…東京23区「平均億超え」マンション価格に呆れる40代共働き夫婦、“裏ワザ”で世田谷区にマイホーム購入→税務調査で〈追徴税700万円〉を課されたワケ【税理士の助言】

誰が買うんだ…東京23区「平均億超え」マンション価格に呆れる40代共働き夫婦、“裏ワザ”で世田谷区にマイホーム購入→税務調査で〈追徴税700万円〉を課されたワケ【税理士の助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産調査会社の東京カンテイによると、2025年7月の東京23区中古マンション(70㎡)価格は平均1億477万円でした。平均価格が“億超え”となるなか、一般的な家庭であれば、遺産相続など“自分以外の力”がなければ現実的ではありません。ただ、そのようなケースでは税務署から目をつけられることも……。40代夫婦の事例をもとに、住宅売買時の税務上の注意点をみていきましょう。宮路幸人税理士/CFPが解説します。※個人の特定を避けるため、登場人物の情報および時系列を一部変更しています。

一転、猪上夫婦が「世田谷マンション」を買えた理由

郊外の賃貸マンションは住みやすくはあるものの、それまでの車通勤から電車通勤となり、英明さんが乗る急行は毎朝息もできないほどの満員電車です。

 

「もっと会社の近くに引っ越したい……」

 

引っ越してしばらく経ったころ、英明さんは病院からの電話で母親が亡くなったことを知ります。父は数年前にすでに亡くなっており、母親が住んでいた実家のマンションと遺産は、ひとりっ子の英明さんが相続することになりました。

 

英明さんは実家に戻る予定がないため、相続した実家マンションの売却を決断。英明さんの実家は大阪にあり、立地が偶然再開発エリアからほど近いところにあったため、想定よりもかなり高い金額で売却できることが判明しました。

 

「これなら都内でマンションが買えるんじゃないか……?」

 

そして英明さんは妻に相談後、再び23区内の中古マンションを探し始めました。そして目星をつけたのは、世田谷区内のとあるファミリー向けマンションです。

 

英明さんは、実家の売却代金に加えて相続した預金1,000万円を頭金にあて、残り4,000万円は住宅ローンを組み、中古マンションを購入。夫婦は晴れて、念願の“世田谷区民”となったのでした。なお、ローンについては、不動産業者に教えられた「住宅ローン控除」を適用しました。

節税のため「3,000万円の特別控除」を申告することに

マイホームでの生活は“理想”そのもの。

 

苦痛だった「長時間の満員電車」から解放され、通勤時間が劇的に短縮されました。快適な住まいとオフィスを往復する暮らしに英明さんのストレスは激減。

 

また、ローンの支払いについても、賃貸のような“かけ捨て”ではなく「世田谷のマンション」という価値ある資産のために支払っていると思えば、不思議と苦ではありませんでした。昇進にともなって給与も上がったことから、生活にもゆとりが生まれ、当時の英明さんには「これからすべて上手くいく」と根拠のない自信があふれてたそうです。

 

そして、新居での生活も慣れてきたころ、英明さんのもとに税務署から連絡がありました。

 

聞くと、実家の売却の申告内容について聞きたいことがあると言います。

 

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※プライバシー保護のため、登場人物の情報は一部変更しています。

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