面接官として、あなたの話を聞いてみる
次は対面での面接です。ちょっと難しいですが、面接官に向かって話をしてみつつ、それを面接官として聞いている、話す姿を見ているというイメージをしてみてください。
『応募者』の経歴や強みは端的、具体的に語られていましたか? 聞いているあなたに、分かりやすく、腑に落ち、共鳴できるものでしたでしょうか? プロアクティブに業務に取り組む姿勢、実際に成果をあげてくれそうな気配を感じましたか?
陥りがちな面接での失敗として、「自分の言いたいことばかり話していて、聞き手が聞きたいこと、質問に対して的確に答えていない」というものがあります。『応募者』は、あなたの質問や聞きたいこと、そもそもこの会社の当該職務に応募したことにつながる話をできていたでしょうか?
私は面接アドバイスで、エグゼクティブの転職においては、「面接と思わずに、商談だと思ってください」と言っています。皆さんが応募されるような幹部クラスのポジションは、会社や事業の課題を解決できる人を求めています。そのポジションで解決すべき課題やテーマについて、どのように相対すればそれが実現できるかについてのディスカッションが面接の場でできることが望ましいのです。
さて、『応募者』がそのポジションに就いたときに、うまく課題解決や業務推進をしてくれそうだと、面接官のあなたは強く感じることができましたか?
面接官として、あなたの人物を見てみる
さて、もう一度、同じく面接シミュレーションですが、今回は最終面接として社長になって『応募者』を面接してみましょう。
社長が見るのは、その候補者の総合力です。そもそも我が社の既存社員たちに良い印象、影響を与えそうなオーラを感じますか? 途中であきらめたり投げ出したりせずに、しっかり任された職務をやり続けてくれそうでしょうか? タフな局面にあったとしても、奮闘しやり切ってくれると信じられそうでしょうか? 我が社において、新たな価値を生み出してくれそうでしょうか?
最終的に、これらの評価を通じて、ぜひとも一緒に働きたい、この『応募者』に我が社の職場にいて欲しいと思ったでしょうか?
目の前の『応募者』に対して、最後は理屈を超えて、ぜひ我が社に参画して欲しい、これからの我が社を支えて欲しいと社長に思わせることに、最大エネルギーを割くべきです。それがあなたが次のステージで中長期的に輝けることを担保してくれるのです。
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バーチャル面接官体験を通じて、どのような要素が揃えば相手企業があなたを「ぜひとも採用したい」と思うのかについて理解、把握できましたか?
『応募者』を論理的、構造的に把握することも大事ですし、感情的、体感的に把握することも非常に重要です。具体的にどのようなことに注意すべきか、見られるのかについては、ぜひこの連載のバックナンバーも参考にしていただき、対策を練って頂ければと思います。
「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」の実践こそ、転職成功の要諦です。ぜひ実践いただき、望ましい次のステージを勝ち取ってください。
井上 和幸
株式会社 経営者JP
代表取締役社長・CEO
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