(※写真はイメージです/PIXTA)

銀行とM&A仲介会社が協業してM&A案件を提案してくる場合、その案件がどのような経緯で自社に持ち込まれたのか、その背景を理解することが重要です。また、M&Aのプロセスにおいては、相手方の情報が少しずつ開示されるケースも少なくありません。本稿では、川原大典氏の著書『銀行の提案を鵜呑みにしない 事業承継の疑問』(幻冬舎メディアコンサルティング)より、M&A案件に潜む「隠れたリスク」について詳しく解説します。

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銀行とM&A仲介会社の関係

銀行がM&Aをサポートする場合、銀行単独で対応する場合と、M&A仲介会社と協業する場合があります。多くの銀行が自前のM&A専門部署を設置し、銀行単独でM&Aのサポートを行っていますが、銀行単独で自行内マッチングを試みてうまくいかなかった場合は、M&A仲介会社と協力する流れが一般的です。

 

自行内マッチングが成立しなかった案件で、M&A仲介会社が支援しているもののなかには、売り手企業の内容が良すぎる場合や、内容が良いうえに独自性が強く、一般的な中小企業では買い手として力不足というケースがあります。そういう案件は、買い手企業にとって、本当に良い希少な売り案件情報です。

 

M&A仲介会社の営業は非常に積極的です。M&A仲介会社が銀行より先にM&A当事者企業と接点を持つことも少なくありません。M&A仲介会社は、売り手企業を見つけたものの買い手企業が見つからず、その後、銀行と協力して買い手企業を探すことがあります。

 

営業力のあるM&A仲介会社が買い手企業の探索に苦労して、銀行と協力しながら買い手を探している案件は、売り手企業の内容に不安があると考えたほうが良いかもしれません。

 

銀行とM&A仲介会社が一緒に提案に来た場合、もともとはどちらの情報源から案件化されたものか、なぜ一緒に動いているのかという経緯を聞いてみるようにします。その案件がなぜ自社に持ち込まれたか、背景が見えてくることがあります。

情報開示依頼を遠慮しない

私の会社のクライアントに対し、銀行とM&A仲介会社が協力して進めているM&A売り手企業の情報が持ち込まれたことがありました。売り手企業の業績は低迷していましたが、自社事業の隣接領域へ事業拡大を狙っていたそのクライアントには、自社の戦略にマッチする魅力的な案件に見えました。社長はM&Aに対して前向きで、案件の詳細確認を依頼してきました。

 

詳しく話をうかがうと、銀行とM&A仲介会社から提供されていた情報が少ないことが分かりました。M&Aの過程で買い手企業に提示される「インフォメーションパッケージ(IP:売り手企業の詳細情報)」がまだ提示されていなかったのです。

 

銀行とM&A仲介会社からは、数日後の基本合意契約締結のスケジュール案が示されていました。私たちはひとまず、基本合意契約締結のスケジュールは未定とし、インフォメーションパッケージの開示を銀行に依頼するようアドバイスしました。依頼後、銀行はすぐにインフォメーションパッケージを提供してきました。

 

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※本連載は、川原大典氏の著書『銀行の提案を鵜呑みにしない 事業承継の疑問』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・編集したものです。

銀行の提案を鵜呑みにしない 事業承継の疑問

銀行の提案を鵜呑みにしない 事業承継の疑問

川原 大典

幻冬舎メディアコンサルティング

長年にわたって情熱を注ぎこみ、経営してきた会社を次の世代にいかにして承継するか――。事業承継は企業経営者にとって避けては通れない大きなテーマの一つです。事業承継を進めるにあたっては、会計・税務・法務といった多分…

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